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朝食後の休み時間。修は屋上の貯水タンクの裏で横になり、吸い込まれそうな青色の広い空をぼ〜、と見上げていた。
食べた後すぐ横になると牛になる。よくそう言われるが、こんなに広いスペースがあっては勿体無い。
青空が広がるよく晴れた天気にぽかぽかの日差し。
こうも気持ちのいい日だと授業を受けてるのが馬鹿馬鹿しくなってくる。
生徒会役員で学校行事や町内ボランティアに積極的に参加する俺の姿を学校関係者らや町内会の人はよき手本だ、と言ってくれる。
――そんな俺でも授業は時々サボるけどな。
修は自嘲気味にそう思い、笑いをもらす。授業をたまにサボるのは、大抵こういう天気の日が多い。
自分のこういうだらしない意外な一面を直したいものだが、そうも簡単にいかない。
反射的に頭の中でそう判断してしまい、体が急にだるく感じてしまう。
もはやアレルギーの域に達しているかもしれない。
今、ここではなく教室で弁当を食べて寛いでいたなら、まだいいだろう。
しかし、こうも開放的な場所で寛ぐとこのままズルズルとサボってしまう。
いつもなら柏木姉妹か犬神と一緒にランチしながら、お喋りして過ごす。
だけど今日は一人で静かに昼を過ごしたい気分なので、4時限が終わったらすぐに弁当を持って教室を出た。
柏木姉妹からいつものように誘われたが、「今日はちょっと用があるから」と言って断った。
別にたいした用も無く、屋上で一人になりたいから適当に嘘をついた。
二人には悪いが、誰だってたまには一人になりたい時ぐらいあるもんだ。


それにしても今日は屋上はやけに静かだ。
屋上は学校のランチスポットとしてよく人が来る場所なのに今日は珍しく誰も来ない。
特別な学校行事とかがあるわけでもないのに、この閑古鳥の鳴きっぷりはおかしい。
――まあそういう日もあるんだな。
あれこれ深く考えてのは面倒くさいのですぐに思考をとめた。
再びぼんやりと空を見上げると、そこにはぽつんと一つの雲が浮かんでいた。
その雲はまるで屋上で一人、寛いでいる自分のように思えた。
――俺も雲になってみたいな。
よく子供の頃、雲になって広い青空から町を見下ろしながら浮かんでみたいと思ってた。
広い青空を雲のように浮かんでみたい、もしくは鳥のように空を飛んでみたい――誰もが子供の頃、一度は夢見るものだ。
しかし、大人になるにつれて現実的なことを考えるようになり、子供の頃の夢を忘れてしまう。
つまり、常識に縛られる個性のない人間になっていく――とても虚しいものだ。
しかしそれが人間てもんだ。いつまでも夢を追い続けるわけにはいかない。


しばらくその雲を見てそんな事を思っていると、心地のよい暖かさに眠気が催してきた。
目蓋が重くなり、頭もさっきよりぼんやりとする。
――やばいな…いつもの癖がきそうだ。
今度こそは教室に戻って授業を受けるつもりだったのが、早くも諦めかけてきている。
こうなってくるとやっかいなもんだ。
戻らなくては、と思うも体が思うように動かない。
そうしている間にもとうとう眠気が限界のところまで達してきた。
――……もう寝よ。
結局、今日も屋上で午後の授業をサボる事にした修であった。

体に何か生暖かく、柔らかいものを感じる。
それと同時にぎゅっと抱きしめられている感覚もする。
修は自分の体にちょっとした違和感を感じ、目をうっすらと開けた。
広い青空が目に映る。まだ日は暮れていない。
ぎゅっ。
また体に力を加えられた感覚がする。
それが何なのか確かめようと顔を横に向けるとそこには――
「…すー……すー…」
目の前に子供のような寝顔をした鈴音がいた。
いきなりの展開にうっ、と息が詰まり、自然に顔が紅潮してきた。
――何故、こいつが俺の側で寝ているんだ?
頭が混乱してきた修をよそに鈴音は気持ち良さそうに寝ている。
その寝顔は天使の化身のように無垢で可愛らしい。頬はほんのりと赤く染まり、ぷにぷにと柔らかそうで思わず突きたくなる。
じっと見ているうちに気恥ずかしくなり鈴音から体を離そうとするが、コアラのようにがっちりと修の体をホールドしているので出来ない。
しかも、引っ付いているので豊かな胸の柔らかさが体に伝わる。
――ヤバイ……。
これは確かにヤバイ状況である。
唯でさえ修と鈴音は一度マラソン大会中、森で遭難してしまい二人っきりで数日間を過ごしたことがある。
それが原因で周りから修と鈴音が付き合っている、と噂が広まってしまった。
万が一、誰かがこの状況に遭遇してしまったなら大変な誤解を招いてしまう。
――それだけは避けないと。
気持ちよく寝ている鈴音を起こすのは気が引けるが、修は彼女の肩を揺すった。
「おい、起きろ白鳥」
「…ん〜……もうカルビ食べられないよ…」
むにゃむにゃと寝言をほざく鈴音。
――とっくの昔に終わってるぞ…バーベキュー大会…。
「バーベキュー大会はとっくに終わっている。兎に角起きて離してくれ」
ぎゅ。
そう言った事と逆に鈴音は――寝相が悪いのか確信犯なのかはっきりしないが――スカートから伸びたむちむちの太股を修の足に絡めた。
――ちょちょちょちょ!?何してるんだこいつううぅぅぅぅッ!?
胸の感触だけでもヤバイのに今度は健康的な太股の柔らかさに修の理性が危なくなってきた。
このままでは欲望に任せて鈴音を襲い、彼女を傷物にしてしまいかねない。
「お、おい!起きろ起きろ」
さっきよりも声の音量を高くし、揺さぶりも多少激しくさせる。修の声には焦りの念が入ってた。
しかし、そんな修の思いも叶わず、起きる気配はなさそうである。
そういえば、他人から聞いた話だが、鈴音は一度寝付けるとなかなか起きないらしい。
そのせいで朝も起きれず、学校をよく遅刻する姿を修は何度も見かけている。
遭難の時だって、彼女を起こすのにだいぶ苦労した。
修は深い溜息をはくと鈴音を起こす事を諦めた。
しかし、このまま何もすることが無かったので、彼女が自然に起きるまでの間、時間を潰そうと人の気も知れず
ぐーすか寝ているお姫様の顔を見ることにした。
遭難したときは、それどころではなかったが、今改めて見るとそれなりに可愛い顔をしている。
もう少しおしとやかなら、彼女に振り向いていたかもしれない。
――これくらい静かなら、もっと惚れていたかもな。
そんな想いが心に浮かぶとはっ、と気づき、頭を横に振った。
――な、な、何言ってるんだよ!?それじゃ俺はこいつの事が好きってか!?まさか……。
修は心の中で否定した。
まあ確かにあの遭難がきっかけで、こいつとはたまに話す。
でも、それは廊下で会った時とかに会話するくらいで積極的に会いに行こうとは思わないし、そもそもこいつの事はまるで知らない。
だから別にこいつに恋心を抱くはずは無い――修はしばらく考え、自分勝手に納得した。
――そうだ、そんなわけない……。
「……えへへへ♪」
おかしい夢を見ているのか、鈴音は不意に殺人級の可愛らしさをほこる笑みを浮かべた。
――ぐわぁ!?
心のうちで奇声を発するもそれは仕方ないことだ。
この笑みで惚れない男は世界中捜してもいないだろう。
いや、惚れない奴は男じゃない。
――もう少しこのままでもいいよな…。

しかし、この後更にとんでもない事が起きるのをこの時は思いもしなかった。

「…………ん〜」
ぷっ、思わずふきだしそうになった。
鈴音がいきなり唇を突き出し、修の顔に近づいてきたのである。
今までの甘酸っぱい青春を醸しだしてきた雰囲気が、そのタコ唇によって一瞬でぶち壊された。
「ちょ、おい!待て待て待て待て!」
迫り来るタコ唇から逃れようとするが、大木に引っ付く蝉のように抱きついているため動けない。
それでも何とか抵抗するも時すでに遅く、鈴音の滑稽なタコ唇が修の唇と重なった。

ぶちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

そんな音が聞こえたように思える。
鈴音はちゃっかりと――本当に寝ているのか?――胸に抱きついてた手を修の後頭部へ押さえつけた。
逃げることも顔を背けることも出来ないまま、修は鈴音の接吻を受け止めてしまった。
滑稽なキスだが、それでも柔らかくとても気持ちいいと思った。
これがタコ唇でなければ、美少女と美少年の絵になるキスシーンなんだが。

ちゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ッパ!

実際はそんな時間は経ってないが、修にとってみれば初めてのキス(それがタコなのはあれだが…)なので
不思議と時間の流れを遅く感じた。
修はキスの余韻にふけながら、自分と接吻した鈴音の唇を見詰めた。
ぷるるん、と柔らかくて艶かしい桜色。その間から白い歯とピンクの舌がのぞいてる。
これほどの綺麗な唇とキスした事にだんだんと心が昂ぶり、修の理性は完全に飛んでいってしまった。

――ははは……無理www限界www

獲物を狙う蛇の如く、ゆっくりした動きでスカートの中に手を突っ込み、鈴音の尻たぶを掴んだ。
胸同様、尻も大きく、もちもちとした手触りが気持ちいい。
修はマッサージをするようにゆっくりと揉むと、まるでお餅のような柔らかさを感じた。
いやお餅とかそんなありきたりなもんでは例えられない。
「…んっ…んくっ……」
寝ていてもやはり体は正直に感じるのか、蚊がなくほどの小さな喘ぎ声が漏れ出した。
しかも更なる刺激を求めているのか、鈴音は修に体を擦りつけたので、修はそれに答えようと自分から
顔を近づけ、鈴音の唇にむしゃぶりついた。もちろん、タコではない。
二度目のキスだが、一回目とは違い大人のディープなキス。
修はドラマで見るキスシーンのように目をつぶった。
舌で間を割り、口の中に侵入し、一つ一つ確かめるように歯列をなぞり、鈴音の口内を犯すように蹂躙した。
すると昼休みにケーキでも食べたのか、クリームの甘みがした。
「ん、むぅ……ん、っ……!」
修は奥へと舌を伸ばすと、鈴音の舌がそれを待ってましたと言わんばかりに舌を絡めた。
熱く、甘く、柔らかい舌の感触だけで堕ちてしまいそうである。
――………絡めている?
何かおかしいと感じ、修が目を開けると鈴音の目がぱっちりと開いていた。
修と鈴音の視線が合ってしまった。

さぁー

血の気が一瞬でひき、頭の中が真っ白になった。
鈴音のふふふ、というくぐもった笑い声を引き金に修は全力で鈴音から離れた。
「のああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
しかし、ここは意外に広いとはいえ、大きな貯水タンクが位置してある。
修は後ろにあるタンクに頭をぶつけると蹲り、痛みを堪えた。
「そんなビックリするなら初めからしなければいいのに……ヘタヲエッチ君♪」
「ちちち、違う! 俺は別にそんなつもりはない!」
「そんなつもりがあるから、私にエッチな事したんでしょ? 言い逃れは見苦しいぞ」
「だ、だからそれは……若さゆえの間違い…というか……」
「というか?」
ごにょごにょ、と俯き口ごもると修は何とか反論しようと顔を上げた。
「お、お前が俺に抱きつくからいけないんだろ!? 普通、女は男にそんなことしないぞ!」
「え〜〜?私は乙女の弟にするよ〜。人のせいにするのはよくないよ、桃瀬君」
「―――」
修は口を開きかけたが、言葉につまってしまった。
剣道仲間という事を以前、犬神から聞いたことがある。
乙女の弟だから小さい頃から鈴音とはよく知った仲だろう。
「もう仕方ないな」
鈴音はそう言って立ち上がると自分の制服に手をかけ、脱がし始めた。
突然のことに修は石のように固まり、鈴音のストリップショーをただ見ているしかなかった。
ブラウスを脱ぐとこぼれ落ちそうなくらいの大きな胸に包まれたブラジャーが現れた。
後ろに手を回しホックを外すと、プルンと震えるように胸が露になった。
さすが、男子共が注目するトップクラスの乳。
重力に反しない、張りのある美爆乳で乳輪も程よい大きさだ。
修の鼻息が荒くなる。
そんな修の反応を見て、次にスカートのホックも外し、スカートと一緒に純白のショーツも下げた。
綺麗に整った茂みの下には、修の経験していない女の花園がある。
鈴音はついに修の前で生まれたままの姿になってしまった。
「桃瀬君の為に、いいことしてあ・げ・る♥」
四つん這いで投げだされた足を跨ぎながら、修の耳元に色っぽく呟いた。
これ以上、鈴音の裸体を見ると理性というブレーキがきかなくなってしまうので、視線をそらした。
「そんな恥ずかしがらなくてもいいんだよ。桃瀬君の好きにして」
「だけど……ここでするというのはちょっと……ヤバイというか……それに心の準備が……
…それ以前にお前のこと別にそんな……」
「今更何純情ぶってるの? さっき襲うとしたくせに、男らしくないぞ」
ごもっともな意見に修はもう反論できない。
修の踏ん切りがつかない態度に業を煮やした鈴音は、すらっと恐ろしいこと言った。
「はっきりしないと桃瀬君のおちんちんにチョップするぞー」

さぁー

血の気がひくのはこれで二回目だ。
チョップの形にした右手を目の前に見せると極上の笑顔を浮かべた。
鈴音のチョップは、噂によるとダイヤモンドよりも硬く、コンクリートさえも破壊できると言われてる。
もし、修の息子がチョップされたりなんかしたら……男の人生、半分失うようなもんである。
「ほらぁ、早くエッチしよう」
修の息子にチョップを当て、急かさせようとする。
まるで息子を人質にされた親のような心境だ。そのまんまだが。
――ええい!どうにでもなれ!!
ヤケクソ気味に修は決心すると鈴音に抱きつき、床に押し倒した。
「きゃぁ! 桃瀬君の獣〜」
「遊んでる場合かよ……いいか、後悔してもしらねーからな」
「いいよ。私、後悔なんてしないもん」
太陽のような晴れきった笑顔には、もはや不安や迷いはない。
修はさっそく鈴音のスイカップに顔を埋め、上に位置するピンク色の突起を一舐めした。
「んん……っ」
ちりちりと静電気のように快い感覚がし、体が小さく震えた。
巨乳はあまり敏感ではないと聞くが、鈴音は例外でちょっとした刺激でも感じている。
そんな鈴音に意地悪しようとわざと中心を避け、乳輪だけを嘗め回す。
「あっ…んんっ…乳輪だけじゃいやなの……」
特に感じる部分を弄ってくれない、そのもどかしさに我慢できなかった。
「ならここがいいんだな?」
鈴音の望み通りに修は、しこりだした乳首を口に含み、わざと大きな音を出しながら吸い付いた。
「んん、んんっ…んあ、そ、そう…もっと舐めて……」
吸い付いては離し、飴玉のように乳首を舌で転がすとまた吸い付き、といつの間にか規則的な愛撫をする修。
胸への愛撫で揺れる修の茶色い頭を鈴音は、愛しく撫でたり抱きしめたりした。
それはまさに乳を吸う赤子とその母親のようである。
「あん、もう……そんな吸って…んっ……おいしいの……私のおっぱい…?」
「ちゅるる…んん、っん……ああ、乳首もグミみたいでいい感触だ……」
「んあぁ……あはん…お、男の子ってほんと…おっぱい好きなんだねっ……ゆ、勇樹君の時だってそうだし…」
「……経験あるのか?」
「う…うん…。一度だけ……実は私処女じゃないんだ……」
発育がいいが、精神が幼いので経験はないと思ったが、意外にもあったとは。
それを聞いて童貞の自分が乳に夢中で貪る様が、あまりにも情けなく、そしてその犬神の後輩に対する嫉妬心が湧いてきた。
愛撫への集中が途切れ、鈴音はその様子に修の考えを悟り、それを見透かすように挑発した。
「嫉妬した? ふふ、嫉妬した桃瀬君かわいい♥」
本人にとっては悪気は無いが、それに気づいて許せるほど今の修には余裕がなかった。
癇に障った修は、痛々しいほど力強く、乳首を責めだした。
「!? いやああぁぁぁ!? あ、あっだめ! い、痛いよ!? 桃瀬君!」
今まで生やさしく乳首を舐めていたが、今度は歯を立てた。
しかもそれだけは物足りなく、もう片方の乳首を摘み、乳肉が伸びるくらいに引っ張った。
激痛交じりの快感により、歪んでいる鈴音の顔を見上げると修はサゾッ気な表情を浮かべた。
「ゆ、許して、お…お願い! 謝る……謝るから! ご、ごめんなさい……!」
「うるせーな! こんなスケベな乳しやがって……お前、一回じゃなくてもっとしてるんじゃねーのか?」
「ちが…違うよ! 私そんな、軽くないよぉ……」
貢献的で優しい修が、こんなに激しく怒ったところを鈴音は見たことが無い。
いつも怒っている人よりも普段はニコニコしている陽気な人の方が突然怒り出すととても怖いもんである。
そのギャップの激しさに鈴音は完全に怯え、ついには咽び泣いてしまった。
「嘘つくな。男に揉まれまくったからこんな大きくなったんだろ?」
「ひっく…わ、私……うぅう、そんな……う、う…ふぇえええぇぇん……」
「泣いてる暇があるんなら感じろ……ほらほら!」
両の乳首を引っ張り、そのまま円を描くように動かした。
「いや、痛いよぉ…く、くるしい……あぐぅっ!」
「淫乱じゃないんなら胸だけではイかないよな? 今それを試してやるよ」
胸を中心に寄せ、痛々しいくらいに赤くなった二つの乳首をくっ付けると再び口に含んだ。
「あああぁぁぁ!? そんな二つもなんて…駄目だよぉっ…! ああぁんっ……」
そして最後の締めに修は、二つの乳首に噛み付いた。
「ああああああぁぁぁぁぁ!!」
甘美な悲鳴をあげながら、体を震わせ軽く絶頂をむかえてしまった。
飛び散った蜜が、肉付きのいい太股を汚し、床に水溜りを作った。
荒い息を吐きながら、メソメソ泣く鈴音を見ているうちに修は冷静さを取り戻し、そして取り返しがつかないという事を知った。
いつもならふて腐れた顔で黙ってスルーするのに、何故鈴音のちょっとした挑発に反応したのか、不思議だった。
「わ、悪い白鳥! 俺、そんなつもりじゃなかったなんだ……」
「ひく…ひくっ……」
「本当にすまん……調子に乗って、お前にこんな酷いことして………」
鈴音を抱きかかえ、誠心誠意をもって必死に謝る。
それでもやはりショックが大きかったのか、鈴音は修から顔を逸らしたまま怯えていた。
「もう二度とこんな酷いことしないから許してくれ…頼むから」
「……ほんとにもうしない?」
恐る恐る顔をこちらに向け、不安そうに修の顔色をうかがった。
修が普段見せない、本気で怒ったときの表情と同じく、鈴音の本当に心から不安げな表情もまた見たことが無い。
それ故、鈴音も乙女心を持った繊細な女の子だと感じた。
「絶対にしないから、ほら泣き止んでくれ」
ポケットからハンカチを取り出し、涙でグシャグシャになった鈴音の顔を拭いてやった。
「ほんとにすまん……」
「ううん…悪いの私だから……桃瀬君を怒らせるようなこと言ったから…ごめんね」
「いや、俺の方が悪いんだ……怒ってすぐ乱暴するなんて最低だよな」
「……私いつも人にちょっかい出して、知らずのうちに怒らせているから……私も最低だよ…」
「……ならお互い様だな」
「うん…お互い様」
互いの緊張が解け、可笑しそうに笑う二人。
そんな穏やかな雰囲気をやぶったのは、鈴音の一言だった。
「ねぇ、続きしよ?」
「い、いいけど…体大丈夫か? 無理ならやめてもいいんだが…」
「私は大丈夫だよ。むしろ、桃瀬君が激しくしたおかげで……もっとしたくなってきちゃった」
恥ずかしそうに舌を出す鈴音に修の心が、またときめいた。
――俺ってやっぱ、こいつに惚れているのだろうか……。
「それに桃瀬君も本番までしたいんでしょ」
男の悲しい性か、同意を求めなくても修の股間を見れば一目瞭然だ。
簡単に見透かされた事に修は少し拗ねた表情をするが、素直に顔を縦に振った。
「本番までたっぷり楽しもう」
鈴音はそう言うと修の服に手をかけ、ボタンを上から一つずつ取りかかった。
「いや、自分で脱ぐから」
人形に着せ替えをするような手つきで脱がしかかる鈴音を止めようと修は手を伸ばしたが、その手は払いのけられた。
「だ〜め。私が脱がせたいの」
「だけどお前だって自分で脱いだじゃないか」
「私に乱暴したくせにそんなこと言うんだ」
む〜、と頬を膨らませ修の顔を睨みながら不満の声を上げた。
ついさっきの乱暴行為に付けこまれ、修は言葉を詰まらせるとおとなしく手を引いた。
修がおとなしくなるとふくれっ面が嘘のように消え、太陽のような笑顔を浮べた鈴音はボタンにかけてた手を
再び動かし始めた。
修が身を任せたのは、鈴音を乱暴したことへの詫びの気持ちだろう。
「よし、次は下だよ」
かちゃかちゃと金具の鳴らしながらベルトを抜くと、鈴音はズボンとパンツを脱がしにかかった。
修も脱がしやすいように、腰を浮かせて脱衣を手伝った。
最後の砦が脱ぎ取られると、鈴音の目の前で修の逸物が震えながら露になった。
もし、鈴音の乳房と修のモノをそれぞれ擬音を発しながら現れるとしたら、鈴音がぷるん、修がぶるんであろう。
それほど修のモノは、へそにくっ付きそうなくらいにおったてていた。
「おお〜」
家庭的な事が得意なわりには、修の上半身はモデルのような綺麗な逆三角形の形をしている。
分厚くて逞しい大胸筋、6つに割れた腹に脂肪知らずの引き締まったウエスト。
どれも鈴音にも負けないくらいのナイスボディである。
男の色気にあまりがっつくほどでもない、鈴音でもこのボディには目が釘付けであった。
「…あんまじろじろ見るなよ」
子供のように興味津々と言った目つきで自分の体をじろじろ見るのに耐え切れなくなった修は、自分自身を抱くように
体を鈴音の視線から隠した。
これではまったく逆のパターンである。普通は女がするような事なのだが。
「あ〜、もう隠さないでよ」
「恥ずかしすぎるんだよ…そんな目で見られると」
「いいじゃん、減るようなもんでもないし。それにこれからお互いの大事なところ見るんだよ」
鈴音は修の体をゆっくり倒すと覆いかぶさるように修の顔を跨ぎ、太股で挟みながら恥部を押し当てた。
所謂シックスナインである。
「これなら公平に大事なところ見せ合いっこできるでしょ」
明るい口調でふるが、修はそれに返答するどころではなかった。
初めて見る女のそれは、卑猥な形をして不思議にも気持ち悪くも思わない。
「どう? 私のオマンコ? どんな感じ?」
「何と言うか…こうしゃぶりたくなるくらいにエロイっつーか……」
「えへへへ。そう褒められると嬉しいな〜。でもさ桃瀬君のもすごい大きいよ」
図体でかいお前に言われたくなかったが、今は間近で鈴音の性器が修を誘うかのように蠢く、その迫力な光景に心が奪われていた。
好奇心に駆られた修は、指で入り口を開くと中身をまじまじと観察した。
サーモンピンクの鮮やかな色素。そこから胸への愛撫により生じた蜜が一滴一滴、修の顔に滴り落ちてきた。
それを合図に修は、鈴音の膣に舌を埋め込んだ。
「あっ やぁんっ…もう桃瀬君たら……いきなりは反則だよ……んっ」
ぎこちないにしても修の必死な愛撫により、鈴音は体を震わせながら悶えた。
一方的にやられながらも、負けん気の炎がついた鈴音は修の肉棒を躊躇いもせず、一気に口に含んだ。
「うぉわ!? ちょっと……そんな…」
「むぅん……むん……ちゅぷ…」
勢いで口に含んだのはいいが、修のそれはあまりにも大きく、目一杯に口を開かないと含みきれないサイズであった。
以前、勇気のモノをしたときはそれほど苦しくはなかったが、修のはそう簡単にはいかないようだ。
だからといって、修が自分に奉仕してくれてるのに、自分は苦しいからと言ってここで奉仕する口を止めるわけにはいかない。
――口疲れるけど、こんな大きいのにつっ込まれたら私……。
一方の修は、頭の中が真っ白になりながらも目の前の性器にただ愛撫することだけを努めていた。
今更だが、現在の状況を修はいまひとつ信じられなかった。
桃月学園は元男子高校のわりには女子の比率が高いので、日頃女子と話す機会は多く、その上修は見た目もハンサムなので
自然と女子が寄ってくる。
しかし、修は性に関してはあまり積極的でなかったので、優麻からの挑発や鈴音からの誘惑――あの時は
天然なのか確信犯なのか分からなかったが、今思えばあれは確信犯なのかもしれない――は適当にスルーしていた。
どうせ人にちょっかいを出して、反応を楽しむ類の悪戯だから。
もちろん、修も健全な男子なのでそういう事には興味あるし知識もある。ただ、がっつくほどでもない。
そんな自分が今、鈴音と『シックスナイン』をしている。まるで幻想の中にいるようだが、鈴音からの奉仕がそれを忘れさせた。
「ん、んん……んぐっ、んむ……」
「ちゅぷ、ちゅぷ……んんんっ…」
ちゅぷちゅぷ、とお互いを奉仕する淫らな音だけ屋上から聞こえてくる。
鈴音が腰をくねらせながら肉芽を押し付けると、修も腰を動かし、口の奥へと進める。
カリ部分を舐めると、お返しとばかりに肉芽に舐める。
尿道を責めると膣奥に舌を目一杯に伸ばす、等まるで快感を共有するように二人は一心同体となっていた。
「んっ、んん、んぅ……もう限界…」
「ちゅ、んちゅ、ちゅぷ…ちゅぷぁ…わ、私もダメ…もうイク…」
「一緒に、あはぁ、はぁっ…うぅっ! イこうぜ…」
「う、ん……私のお口の中に桃瀬君のザーメン…あはぁ……いっぱい頂戴っ…」
二人の奉仕が激しくなり、達するまでのラストスパートをかけた。
「んんんんっ! ぅう、ぅ……イク………!」
「むむむぅん! むむっ、んんんーーーっ!」
修は鈴音の口に大量の精を放出し、鈴音も修の顔に大量の蜜を噴いた。
濃厚な精をじっくりと口内で味わうと鈴音は飲み込み、修も洪水状態の秘所に再び口をつけた。
大災害がおさまったように両者の震えが止まると、二人は体を離した。
「桃瀬君の精子すっごく美味しかったよ。ありがとう♥」
「んなことでお礼言うな! 恥ずかしいんだよ…」
「どうして〜? お礼言うことは当たり前だよ」
「言っていい時と悪いときがあるんだ!」
「もう…隠れお凸のくせに細かいこと気にしすぎ」
「隠れかよ!? 隠れ凸かよ!」
少し気になるコンプレックスに余計な単語を加えられた事に無意識につっこむ修。
「そんな事より早く続きしようよ。ほら、桃瀬君のここもやる気満々♪」
思わず指摘されたムスコを見ると、一度出したにも関わらずギンギンにそそり立っていた。
「いやこれは……」
「おまんこにいれたくない?」
「…………いれたいです」
素直に返事する修を見て無邪気に微笑むと鈴音は、両足を大きく見開き修の上に跨いだ。
「なんか、この体勢でいると私が年上のお姉さんみたいだね」
鈴音は実はこの体位でするのがとても気に入っており、男の上に乗ってみると自分が大人の女になったような気になってしまうからである。
しかも、鈴音は修とだいたい同じ背丈なので、それがよりいっそうこのシチュエーションに酔わせてしまう。
「ああ…! あぁ…いきな……りはやめ……」
「あああぁぁっ…! 桃瀬君のおちんちん…太いよぉっ…」
完全に根元まで飲み込み、初めて受ける感覚に修は体を震わせながら受け止めていた


「もう誰もいないよな?」
修はB組の教室から顔を出すと廊下を見渡した。
差し込む夕日の光により、誰もいない廊下がより寂しく見えてしまう。
「別に見られてもいいじゃん」
「アホか! 他の奴らにこんなとこ見られたらヤバイだろ!」
何故、修はこんな挙動不審になっているかというと、鈴音を背負っているからである。
あの屋上で戯れあったが、鈴音にとって久しぶりでしかも予想以上に絡み合いが激しかったため、彼女は腰を上げる事も
動かすことも出来ないでいた。このまま放って置くわけにもいかないので、しばらく休むことにした。
いずれにしても、人がいなくなる下校時間ギリギリまでここにいるつもりだからちょうどいいし、その時は治っているかもしれない。
しかし、それでも鈴音は立ち上がることも出来なかったので仕方なく、修は鈴音を背負い、自分達の鞄が置いてある教室に
足を運んだ。
幸いにも今日は、学校側の都合により全ての部活動は休みとなっており、いつもは居残っている部員達はいない。
それでも鈴音の家に着くまでは、なるべく人のいないルートだけを通らなければいけない。
もしこの姿を見られたら、正午から授業に出なくなった事と結び付けられ……二人で何かしていると勘付かれる。
「エロお凸のくせにそんなビクつかないでよ」
「エロデコ関係ねぇ!」
辺りを警戒している状況でも鈴音につっこみをいれながら、教室を出た。


こつこつと修だけの足音が廊下中に響き渡るほど廊下は静かだった。
屋上といい廊下といい、正午以降、鈴音以外の人に会わない日というのも珍しいものである。
今はそっちの方が都合がいいのだけど。
ふふ、と突然鈴音の口から声が漏れた。
「何が可笑しいんだ?」
「だって桃瀬君におんぶして貰うこと無かったから、すごく嬉しい」
誰にも渡さないようにやや強く抱きしめると鈴音に、修の顔が高潮しだした。
先刻、鈴音と卑猥な事をしたはずなのに、それよりも妙に恥ずかしく思えてしまう。
「背中が大きくて、桃瀬君の匂いがして…安心する……」
「…そういう恥ずかしいこと言うの止めてくれるか?」
「何で〜? 本当の事言ってるだけなのに」
本当にこいつの性格はつかめない。
自分を意図的に誘惑したり、かといってこういう場面では平気で恥ずかしいことをすらっと口に出したり……。
多分これからもこいつに会う度に、わけわからん性格には振り回されるだろう。
「あのね桃瀬君……」
今まで明るい声を出していたが、急にトーンが下がり、不安そうな表情で鈴音が言ってきた。
「遭難した時の事覚えている?」
「覚えてるけど、それが何だ?」
「…あの時、桃瀬君と二人っきりだったから悪戯気分で誘惑したんだ。男の子って、ああ言うシチュエーションだと
すぐに飛びついてくるでしょ」
鈴音の言ってることも一理ある。男なんて目の前にいい女がいて、しかも誘ってくるならそれにがっつく野獣のようなもんだ。
まあ、こいつを襲った自分が言うのもなんだが…。
それに危機的状況に陥れば、人間は自分の子孫を残すため、生殖活動が盛んになる。
あの時、性行為をしていたなら子供が出来ていたかもしれない。
しかし、修はしなかった。
「あの時、ちょっと意外だったな……。まさか、そういう目で自分を見ていないなんて……」
「あれはだな……自分が生き残るために色々考えてたんだ。そんなスケベな事して、目の前の現実から逃げたくなかったからだ」

さっき覚えているといったが、こういうところは記憶があやふやだ。
確か、自分が鈴音に言った通りに何もする気が無く、ただこの困難な状況をどうやって打破しようか頭を悩ませていた。
しかし、たいした案が浮かぶことも無く、それから数日経ってレスキュー隊の人に助けられた。
結局、遭難した数日間は男女二人によくある展開は無かったということだ。

「でもさっき私を襲ったけどね♪」
「・・・お前、あの時起きてただろう……」
「何のこと〜?」
視線を明後日の方へ泳がせ、鈴音は誤魔化した。
――やっぱ狸寝入りしてたな、こいつ…
ジド目で鈴音を睨みたがったが、この体勢では無理なのでその代わりに軽い溜息をはいた。
「遭難から桃瀬君のこと、毎日想うようになったんだよね……。夢にも良く出てくるんだよ……」
「……」
「それなのに、桃瀬君は五十嵐先生が近くで倒れるたびにいっつもおんぶして保健室まで運ぶんだよね。嫉妬しちゃうな私」
修は前に五十嵐を背負う際に一度だけ、鈴音の前を通ったことがある。
何気なく鈴音の顔を見ると、ほんの少しだけ不満そうな表情を浮かべていた。
あの時は、何故そんな顔するのかよく分からないし、どうでもいいことだったからあまり気にしなかった。
それが今になって分かり、そして自分は鈍感だと思った。
「この気持ち分かるよね?」
自分の気持ちを告白し、それに対する答えを求めてくる鈴音。
もちろん、答えは決まっている。
「ああ…分かる。すごく分かるよ」
「本当?嘘ついてない?」
「嘘ついてたら、一時的に嫉妬してお前に乱暴はしなかったぜ」
自分も本当の気持ちを告白する。
返された答えに鈴音は満足気に微笑んだ。
遭難の時から今まで、お互いの気持ちがすれ違ったがやっとのことで一つになれた。
これまで生きた中で、今日ほど嬉しい日は他にはない。
「他の人には、絶対桃瀬君を渡さないからね」
「俺だってお前を誰にも渡したくない」


廊下を抜け、玄関まで来るとほっと一安心した。
運よく廊下にも玄関にも誰もいなかった。本当なら人通りが少ない裏口の方から出ればいいが、生憎今の時間だと扉には鍵が
かけられているので仕方なく、表口の玄関しか通れない。
誰かにばったり会う事を心配していたが、その必要は無かった。
「ここがお前の靴箱か?」
「うん」
一番上の真ん中部分に『白鳥鈴音』とシールが張られてある、スペースがあった。
鈴音の身長ならちょうどいい位置であり、もしこれがあの黒いチビだと大変だろう、と修は思った。
そのスペースに置いてある鈴音の外靴を取り出すと、器用に今履いてある上履きを脱がし、それを靴箱にしまい込んだ。
「ここで降ろすから自分で履けよ。後もお前の家まで背負ってやるから」
「うん」
降ろされた鈴音は、いそいそと靴を履いている。
修も上履きと靴箱にある自分の外靴を交換し、履き替えた。
「ほら、行くぞ」
「は〜い」
再び鈴音を背負い、後は誰かに見られてないかチェックするだけだ。
修は後ろを振り返ると――――何か同じ顔が二つある。
ポカーンと口を開けながら、その二人はこちらを見ていた。
――何だ? こんなところでまさかドッペルゲンガーに会うとな。
そうじゃない。この二人は柏木姉妹だ。
――ちょwwwタイミング悪すぎwwww
一瞬、修の許せない行為の一つである現実逃避を自ら行ったが、一瞬で元に戻った。
何故よりにもよってこの二人が……。というかこんな時間までこの二人は何やってるんだ! とっと帰れよ!
自分が言えた義理じゃないが、そう言わざるを得ない。
一つの呆然としている顔がみるみるうちに不機嫌な表情に、もう一つの顔もしだいに泣き顔に変わっていった。
二人はずんずんとこちらに向かってきた。
「……授業サボっていなくなったと思ったら、何こんなとこでいちゃいちゃしているのぉ?桃瀬君?」
「はぁっ!? 授業サボったのは確かだが、いちゃいちゃなんかしてねーよ!」
ドスのある声で聞いてくる優麻にたじたじと答える修。
「いちゃいちゃじゃなぃ……白鳥さん背負ってさぁ……」
――ちょっwwなんでそんな突っかかってくるんだよwww
優麻が不機嫌そうな顔と優奈が悲しそうな顔をしている以外は、だいたい予想通りに感ずかれてしまい、とんでもない展開に発展した。
このままではバレルのも時間の問題なので、嘘言って誤魔化すことにした。
「これはだな……ついさっき屋上での昼寝から起きて保健室の前通ったら、こいつに家までおんぶして欲しいって頼まれたんだ。そうだろ、白鳥?」
「うん、そうだよ。腰が急に痛くなって、でも保健室の扉に鍵がかかってたから、保険の先生が戻ってくるまで待っていたんだ。そしたら桃瀬君がちょうどよく来たから家まで送ってて欲しい、って頼んだらOKしてくれたんだ」
ナイス、白鳥。お前のことだから本当の事を言ってしまいそうだが、うまく合わせてくれた。今度、なんか菓子作ってやるよ。
「ふ〜ん……でも何で白鳥さんは、保険の先生が来るまで待ってたのぉ? 今朝の朝会で言ってなかったぁ? 保健室の先生、出張で今日はいないってぇ?」
――うはww敵ながらいい所をつくwww
実際、朝会でそういう話をしていたのを俺は忘れていた。一生の不覚。
どっかの刑事のように深々と質問してくる、この双子の姉にあだ名をつけるとしたら『双子刑事』とかそんなとこだろ。
――おおww我ながら、いいネーミングセンスwww今までのドラマ刑事にもこんなタイトル無いから、今度これを小説にして欲しいものだwww
「朝会のとき、立ったまま眠ってたから聞いてないや♪」
――GJェェェェェェエース!! 
なかなか鈴音もやるもので、優麻の巧妙な質問にうまく答えていく。
修は鈴音の意外な才能を見せられ、思わず感心してしまった。
「へ〜、そうなんだぁ……じゃあさ、こんな遅い時間まで何していたのぉ?」
――てめぇらが言うな、コラwwwというか、さっきから何だよ、その猫撫で声ww語尾きめぇwww
――己は、乳酸菌絡みのジャンク人形かw もしくはサディズム星からやってきた、どこぞのサディスト王子かw
そういうお前は何で語尾に『w』を付けるのか、とつっこみたいが今はおいて置こう。
今まで聞かれた中で一番難しい質問に修は不安だったが、鈴音はすらっと答えた。
「響の部室に勝手に上がって暇つぶししてたよ♪ それではしゃいでたら、後ろから転んで腰打っちゃってさー」
てへへ、と鈴音は悪戯小僧のように反応した。
優麻は疑わしい目つきでこちらを見ていた。
「もういいだろ? こいつを早く家まで送らないといけないからな」
修は兎に角、この二人から逃げたいがため、質問攻めを止めさせた。
「…分かったわよ……ほら、こんなスケベな桃瀬君は放って置いて、優奈ちゃん帰ろう」
「だから……勝手にしろ。じゃあな」
やっとの事で諦めた優麻を見て、修は最後の言い方に少し気に入らなかったが足を進めた。
その時、鈴音は顔だけ後ろに向け、勝ち誇ったような表情を見せ付けた。
優麻はそれをみて、むきーーーーーと奇声を上げながら、地団駄を踏んだ。
優奈の方も四つん這いになって、落胆した。


正門から抜けた後、まさかあの二人が付いて来るんではないか、と修は後ろばかり振り向いてた。
今でもよく分からないのは、何故二人があんな態度をとったのか、特に姉の方。
むきになって突っかかってくる彼女を見たのは初めてのことなので、不思議でたまらない。
――私の気持ちもそうだけど、この人は焼餅焼かせるの得意だな。
これから一緒になるというのに、少し心配になってくる。
鈴音は、何かから守るように、また愛しそうに修を優しく抱きしめた。
「何?」
「何でも無いよ……ねぇ、桃瀬君?」
「ん?」
「桃瀬君の全ては私のものだからね。もし、浮気なんかしたら……お仕置きとして私のおっぱいで窒息死させるから」
「…それ、お仕置きじゃなくて死刑なんじゃないのか?」
「兎に角、浮気はダメだよ? わかった?」
「分かった分かった」
しつこく聞いてくる鈴音に返事をする修の顔は、どこかすっきりとしたものだった。




おまけ


――ここはぼのぼのする所なはずなのに、何で俺の股間はおっきしているんだ!?
背中にぷにゅぷにゅ、と押し付けられるその感触が原因なのだが、ここで鈴音を降ろし、歩かせるわけにはいかない。
――だからさ、だからさ、仕方ないだろ! 仕方ないだろ! 男の性なんだから! あといっとくが俺は断じてスーパースケベじゃないからな!
意味無く自分自身につっこむ修。アホである。
「ああ〜。桃瀬君、またこんな大きくさせて〜。このぜ・つ・り・ん・さ・ん♥」
ふ〜、と耳元に呟かれ、鳥肌がおもいっきり立った。
「家着いたら、二回目に突入しよ? 今日は家族いないから」
「…………はい」


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