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『テスト週間×放課後+偏差値=秘密のレッスン』

「えーっと・・ここは分詞構文が使われてるから・・・」
「玲ちゃ〜ん、帰り本屋よろーよ♪」
「あー!姫子、この前あたしにおごるっていったの、どーなったのよぉ!」
「わかってないなぁ、くるみちゃん。お金がないから立ち読みするんだヨ♪」
鬱陶しい雨がしとしとと降り続く。都の拳が怒りに震える要因は当然それだけではなかった。
「姫子ぉ!アンタもーちょっと静かに出来ないのっ?!」
「休憩時間くらい、いーじゃんか〜」
いつものようにヒラリと都の怒りを回避する姫子だが、
そもそも彼女には‘悪いことをしている意識’があるわけではないので、全くの正論を述べているつもりであった。
「あと一週間だってのに・・・!」
都のイライラの根源にある‘それ’を、彼女は容易に口にすることを拒んだ。
「どーしたっていうのさー、都ちゃん。なんかいつにもましてピリピリしてるカモ〜?」
不思議そうに都の顔を覗き込む姫子。
その背後で事を傍観していた玲が横やりを入れた。
「定期考査だろ、あと一週間といえば。」
「中間テストのことカナ?すっかり忘れてたヨ〜」
姫子はこんな子であるから、都の怒りと言うのもなかなか意味の薄いものである。
「はぁ・・・いいわね、アンタは気楽で・・。」
都自身もこの怒りがあまりにも無駄だということに気付き、再びノートに向かおうとした。
しかし短気な性分が、その勉学への熱意を、またも邪魔することとなる。
「ってアンタもよ、玲っ!」「はぁ?」
いままである程度の傍観者であった玲は突然のフリに呆れたような驚きを見せた。
玲を指差す都の右手は、またも怒りに震えているようだった。
「偏差値の10点くらい分けなさい!」
どこかの某団長のような横暴さにはその場にいた誰もが彼女の思考を疑った。
読んでいた本をパタンと閉じた玲は「どうかしたのか?」と聞きつつも、都の本心を読み取っていた。
「たいした勉強もしてないのに点が取れるなんて、一体どんな手を使ってるの?!」
玲も予想通りの言葉にクスッと微笑した。
そしてあえて都の神経を逆撫でするようなトーンの声で「ひとえに努力だ」と言い放った。
「くっ・・なんで私の努力は・・!私の・・!」
「あはは〜、そんなの気にしなくていいじゃんか〜。努力することが本当に大事なことなんだってさ〜。」
真剣に頭を悩ませている都を気遣っての発現ではあるがそれが逆方向に作用していることはいうまでも無い。
「・・・・ふむ・・。」
そしてまた同じく彼女を心配するものが一人。
放課後、姫子やくるみたちはとっくに帰ってしまった。
都は今日の授業についての質問を担当の教諭にしていたため、僅かではあるが他の生徒と帰路に着くタイミングがずれていた。

「都。」
荷物をまとめ、さっさと帰ろうとする彼女を呼び止めたのは玲だった。
「あれ、まだ居たの?玲。てっきり姫子たちと帰ったのかとおもった・・。」
「うん、そのつもりだったんだけどね。話があってさ。」
玲は特に思いつめた様子があるわけでもなく、さほど重要な話でも無いだろう、と都は判断した。
そのため少し冗談を交えて「話?点数の取り方でも教えてくれるっての〜?」と会話を進めた。
「ああ、そうだ。」
「・・は?」
「点数の取れる勉強方法を教えてやる。ちょっと来い。」
「え・・え?」
「いいから。」
困惑する都の手を強引に引っ張り、玲は歩き始めた。
「ち、ちょっと!ど、どこ行くの・・?」
「空き部屋。そのほうが好都合だから。」
「・・・そりゃあ静かなほうが勉強もはかどるけど・・。」
「鍵もかかるしな。」
「え・・?」
玲はわざと聞こえるか聞こえないかという声量でそういった。
幸い都いは聞こえていなかったようだった。
「なんでもない。そら、着いたぞ。入れ。」
見覚えの無い教室。一年の都がまだその部屋を知らないのはおかしなことではない。
しかし玲があまりにも当然のような顔でこの部屋に案内したということは、ここは玲の行動範囲のなかであるということだった。
「・・・?おじゃましま〜す・・」
なにがなんだかわからない都は、とりあえず言われるがままその部屋の戸をひいた。
「な、なんで真っ暗なわけ・・?」
都は視界に飛び込んできた暗闇に驚き、後ずさりした。
部屋にはカーテンがひかれていて、日の光が完全にさえぎられていた。
といっても季節は梅雨、初めからさほど明るいわけではない。つまりは、カーテンをひいてある理由は別にあった。
「大丈夫、電気つければ勉強は出来るだろ。」
「そーだけど・・」
そういって都はスイッチを探し出し、電気をつけた。
蛍光灯の明かりが部屋を照らす。あるのは一対の机と椅子。ついでに冷蔵庫。
あとはなにかごちゃごちゃと散らかっていた。
「ここなんの部屋よ・・?テスト前だからって掃除もしてないの・・?」
「掃除はしてるさ。そこらに広がってる棒やらなんやらは、そのうち必要になるんだ。」
「へぇ・・」
ガチャリ、と重い音がする。都はすぐにそれが何の音か直感した。
「え、ちょ、なんで鍵閉めるわけ?!」
「秘密の特訓、だからな。」
「で、でも・・!」
さすがにここまでくると都は身の危険を感じ始めていた。
「さ、はじめよう。私は都の努力が実を結ばない理由を知ってる。」
いつもとなんら変わらない玲の声は、逆に都に恐怖を与えた。
「机でちょっと待っててくれ、特訓用のアイテムがあるんだ。」
意味ありげに設置されている冷蔵庫から、一本の瓶を取り出す。
都はおとなしく椅子に腰掛けてそれを見ていた。
「とりあえず、集中力を高めるためにこの栄養ドリンクを飲んでおこう。話はそれからな。」
「・・。」
都はその瓶を黙って受け取った。
冷たい瓶の感触が指につたわると同時に、瓶のラベルをみる。
それは確かに市販の栄養ドリンク、不審な点は特に無かった。
しかし、キャップをひねったその瞬間、都は異変に気付いた。
「あ・・れ?これ・・開いてる・・?」
「そんなはずないだろ、私がさっき買ってきたばっかりなんだから。」
玲はさらっとそういった。この表情が彼女の‘桃月の魔女’たる所以なのだろうか。
納得のいかなかった都だが、そのとき冷静さを欠いていたのか、不審に思いながらもその液体を飲み干した。
「ごくん・・ふぅ・・。やっぱり・・栄養ドリンクなんて変な味ばっか・・り・・・?」
みるみる紅くなってゆく都の頬。体の中心がうずくような感覚。
「どんな気分だ?」鍵のかかった扉の前で腕を組んでニヤニヤと笑う玲。
「ぁ・・っ・・はぁ・・こ、これって・・か、体が・・っ」
股を堅く閉じ、肩を抱いて震える都の目は困惑に泳ぎ、紅い頬と相まって玲を興奮させた。
「そう、それは媚薬ってヤツだ。」
僅かにうつむいた玲の瞳には怪しげな炎が宿っていたが、蛍光灯が反射して都には見えなかった。
「そ、そんな・・っもの・・はぁ・・あぅ・・な、なんで・・ぇ・・っ」
「言ったじゃないか、秘密の特訓だって。」
「ぅぁ・・ふぁ・・はぁ・・はぁ・・・」
「都の勉強は要領が悪いんだよ。一から十まで頭で覚えようとして。」
つかつかと都の前に歩み寄る玲は冷たい表情ではあるが温かみのある声でそう語った。
都は体が‘そんな状態’ではあるが、必死でそのレクチャーを聴こうとした。
「要点だけを体で覚えるんだ。頭で覚えるのは、単語だとか発音だとか、そんなことだけで良い。」
「からだ・・で・・っ・・ぅ・・」
「そう、からだで。今の状況はそれにうってつけの状態だ。」
妖美な笑みを浮かべた玲は都を背後から軽く腕を回し、左の耳たぶを甘噛みした。
「ふぁぁ・・れ、い・・止め・・」
「ダメ。あんなにいつも頑張ってる都が報われないなんて、あんまりじゃないか。だから・・」
玲はそのまま都の首筋を舐め、彼女の反応を楽しんだ。
「あぁぁぁっ・・はっ、はぁ・・ん・・ぁぁ・・」
都はと言うと、ただその快感におぼれまいと身をこわばらせている。
玲は‘悪者の笑い方’をすると、都のバッグから教科書を取り出した。
「それじゃあ今から読み上げる文を訳せ、都。」そういうと玲はランダムに英文を読みはじめた。
すると都も必死で訳を答え、その苦しそうな目で玲を見つめた。
「いいぞ、都。じゃあ今の文に使われていた重要構文は?」
「『It…too〜』構・・文んっ・・ぁっ・・」
これ以降、都はペーパーテストの結果からは想像もつかないような正解率を発揮することになる。
「・・よし、一問正解するごとにご褒美をやる。」
おもむろに自分の眼鏡をはずす玲。彼女は突然都の唇を奪った。
「んむぅ・・」
一瞬嫌がるようなそぶりを見せたが、媚薬に犯された都はすぐにおとなしくなった。
くちゅくちゅと音を立ててキスをする二人。しかし玲はわざと軽めのキスに留め、唇を離した。
「ぷはっ・・・」
都の涙を浮かべた栗色の綺麗な瞳は、仔犬のように寂しがっていた。
玲と都の唇が銀の糸でつながっている少しの間、玲は恍惚の眼差しでそれを見つめていたが、すぐに次の問題を出した。
それからしばらく、都は‘答えること’しかしなくなった。

二問目に正解し、ご褒美をもらう。
玲の怪しげな瞳が迫ってくると、どうしても体が硬直し、身を預けてしまう都。
玲にしてみればそれがどれほど好都合で、どれほど望んでいたことか。
「次はちゃんとディープでいくぞ・・。」
眼を閉じて待ち望む都。玲は嬉しそうに応えた。
「んふ・・んぁ・・・ふぅ・・ん、ん・・・」
間接的にではあるが、都は玲の問に正解することの虜となっていた。

五問目に正解したとき、都は初めて‘正解する’以外の言葉を発した。
「んっ・・れ、い・・はや・・くぅ・・・」
この言葉を聞くと、玲は本当に‘魔女’になった気分になる。
キスに邪魔な机は既にどかされ、玲は都の正面から堂々と行為に及んだ。
またこのとき既に都の眼鏡もはずされていた。
それは都が‘勉強’から‘性欲’に重点を於いている今の状況の表しているかのよう。
何問目に正解ときだっただろうか、玲はよだれだらけの都の顔を綺麗に舐めて、そのまま首筋に舌を這わせた。
「ふぁあんっ!れい、れい・・・っ」
度重なる攻めに、都はもはや自我を失っているかのようだった。
また、眼鏡もコンタクトもないため、ほとんどものがぼんやりとしか見えていなかった。
「ぁふ・・・さて、そろそろ・・・」
そんな声がしたほうへ振り返ろうとしたその刹那、新たな刺激が都を襲った。
「ひぁぁぁぁぁっ!」
玲は都の乳房への攻めを開始した。
悲鳴のような声で喘ぐ都はそれだけで絶頂を迎えてしまいそうだった。
「ふぁっ・・ん・・ぁん・・あっ・・ぁっ・・」
玲は構わず、そのままの体勢で出題した。
都の回答の端々に入っていた喘ぎ声が大きくなり、回数も格段に増えていく。
「ぃあっ・・ふぁん・・・ぅっ・・ん・・あっ・・ぁん・・」
都のスカートや、胸を刺激する玲の手の甲に都の涎が幾度も滴る。
「・・ホント・・かわいい・・都・・・」
やはり年頃の少女だけあって、小さいながらもその弾力は抜群で、
それは実際に触れてみなくとも伝わった。
「えぅ・・・ふぁん・・ぁっ、あっ、あぁっ!」
絶頂の淵を拝んでは現実に引き戻される都を不憫に思ったのか、
ただ自分の欲を満たすためなのかはわからないが、玲は突然提案を持ちかける。
「次の問題に答えられたら・・そろそろイかせてあげる・・。」
「はぁ・・はぁ・・んぅ・・・」
玲はここであえて難問を出題した。
今の都であれば、極限状態の都であれば、絶対に解答できると自信を持っていたからだ。
そして都もその思いに応えた。
必死に思考し、都は一つの答えを導く。自分でも驚いた。
ここまで確信をもって解答できたのは、初めてかもしれない、と。
「うん、正解だ、都・・。やっぱり凄いんだね、都は・・。」
玲の言葉を聴いて安心するも、高鳴る鼓動はとめられなかった。
「さ、都・・良く頑張った・・。都は賢い。だから・・今日の勉強はこのくらいにしよう。ね?」
「ぁ・・ぁぁぅ・・・れい・・はぁ・・はぁっ・・・」
俯いて息を荒げる都。玲はそんな彼女の耳元で優しくささやき、ちゅ、と軽くキスをする。
そして冷蔵庫やなにやらが散乱する中から体育に使うマットをとりだした。
それを適当な場所に敷くと都のほうを振り返り、「さ、一緒にイこ・・。」と微笑んだ。
玲は都をお姫さまだっこでマットの上に座らせると、先ほどの冷蔵庫からローションを取り出した。
都はおんなのこ座りのまま両手を前について、肩でゆっくり息をしている。
涎がつーっとマットの上に零れた。また、弛んだ紺の靴下がとても愛くるしくおもえた。
「都・・ちょっと・・待っててね・・・。」
玲はそんな都の前に膝で立ち、都の服を脱がしはじめた。順番に、手際よく。
やがて都の上半身を覆う衣類が純白のブラのみになり、
玲はその身体を腹部から順に、舐めるように眺めていった。
「綺麗・・。」
ただその一言が零れた。
息の荒い都を一度強く抱きしめると、都も弱々しくそれに応えてくれた。
玲は自分の身体が更に熱くなっていくのを感じていた。
「それじゃあ・・私も・・・。」
同じように玲は自らの衣類も剥ぎ取っていく。最後に残った漆黒の下着はすぐにはずされた。
上半身に何も纏わないまま、玲は都に軽くキスをする。そして都の髪留めも一つづつはずしてゆく。
前髪が栗色の瞳に掛かり、その状態からの上目遣いが玲にはたまらなかった。
今まさに零れようとしている涎を、玲は右の人差し指で拭って、自らの唇に運んだ。
「さ、都・・・。」
都の首筋から肩へと舌を這わせながら、玲は都の純白の壁を取り外した。
あまりの美しさに言葉を失いつつも、玲は事を進めようとする。
先ほどのローションを右手にたらして、都の身体に塗りたくっていく。
「ゃ・・ふぁ・・ん・・・っ」
熱く火照った体温とその液体には温度差があり、それに身体を震わせる都。
「ほら・・イイでしょ・・?」
玲は誘惑するような表情で、続いて自分でローションを浴びた。
「スカート・・汚れないようにしなきゃね・・。」
順序としては逆なのだろうが、玲には考えがあった。
都のスカートのホックに手を伸ばす。ローションにまみれたその手で器用にそれを解く。
「やっぱり・・都・・びしょびしょじゃないか・・・」
玲はわざとらしく都の下腹部の実況をはじめる。
「これじゃあもう役に立たないね・・。」
という言葉よりも先行して、都の濡れそぼった本当に最後の衣類を取り外しにかかる。
「都っ・・!」
しかしまだその白い砦が都の右ひざにかかったままの状態で、玲は彼女を押し倒した。
「ん・・っ、あふぅ・・」
都の唇を再度奪い、片手で自らのスカートを解く。
気付けば玲は初めからストッキングをまとっていなかったため、それだけで下着姿となる。
「ん・・・都・・イこう・・一緒に・・。」
そういうと、玲は都に覆いかぶさるようにしてキスをした。
「んむっ・・」
苦しそうであることに変わりは無いが、都はそれ以上の快感におぼれていた。
「ふぁっ、ぁっ・・ひゃんぁ・・!」
互いの乳首と秘所の最も敏感な部分を重点的に擦り合わせる。
自分よりも体格の大きな玲に犯されている都は、
男性に突かれるときもこんな感覚なのだろうか、と思いながら、
ただ玲の動きに酔いしれていた。
「あぁっ!イイ、都っ・・ぁんっ」
玲自身も、都の反応をみて興奮したのか、存分に感じていた。
「んぁ・・あ、あ・・ぁっ・・・」
都の喘ぎ声がいっそう艶かしくなっていく。
打ち付ける玲の腰が生み出す振動に、都の嬌声がかすかに震えた。
「かわいい、都っ・・はっ・・はぁっ・・顔も、胸も、声もっ!」
響き渡る二人の声が、互いの肉と肉がぶつかりあう音や
ぐちゅぐちゅという淫らな音と重なって、二人にとってとても心地の良いハーモニーを奏でていた。
「んっ・・ゃっ・・あっ・・ふぁぁっ」
もはやBGMと変わらないほどこの行為になじんだ都の喘ぎは玲を余計にくすぐり、
もっといい声をききたい、という欲をもたらしていた。
「ほら・・都・・アソコの音・・聞いてごらん・・」
二人の秘所と秘所が擦れ合う音は、この世のものとは思えないほど淫らな音だった。
ぐちゅぐちゅ・・・くちゅ・・ぬちゅぬちゃ・・・
「ひゃあっ・・んぁあぁぁ、んっ・・」
恥ずかしがる都の声は今までに無いほどの色っぽく、玲はあまりの快感に身震いした。
都の反応の虜となった玲は、わざと都の羞恥心をかきたてるように問いかける。
「ぐちゃぐちゃいって・・はっ・・ど、お?都・・っ」
「き・・もち・・・ふゃっ!きもち・・い、いぃぃ」
廃人となってしまったかのような都の声は、玲にとってなによりの褒美だった。
「よかっ・・た・・よかった・・都ぉ・・んっ・・」
淫らな水音が大きな音へと変わっていく。
ぬちゃぬちゃぬちゃぬちゃ・・・
音のスピードはゾクゾクするほど二人のつながりを示していた。
「ひっ・・ィクっ・・!れいっ、イっチゃ・・ふぁん!」
「わ・・たし・・も・・ん、ん・・」
動きをいっそう激しくして、絶頂に自ら手を掛ける。
玲は無意識ながら都を強く抱きしめていた。
その圧迫感と、‘逃げられない’と状況が都の手を引く。
都自身も、玲の背中に回していた腕で必死に喰らいついた。
「ひあぁっ!クる、クるぅぅぅ!」
今までに無い快感に手が届きそうになった瞬間、
都は自分でも恥ずかしくなるような言葉を大声で叫んだ。
同じく玲も、大声で喘ぐ。
「ぅあああっ・・!」
「ふあぁ!あぁぁぁっ!」
最後の声を上げた都に、それ以降のことを記憶にのこすことは出来なかった。
ただ、自分と玲の鼓動が重なって、ドクンドクンと大きく頭の中で響いていた。
「ぅわぁぁぁああっ?!」
夜の学園に小さく響き渡る声。
(こ、この部屋・・)
目が覚めたときの都は一気に冷静さを取り戻しており、
見覚えのある部屋からいままでのことが夢でなかったとすぐに理解した。
何時の間にか掛け布団さえ用意されており、自分があのまま寝てしまったことも同時に理解した。
「あ、おはよう、都。」
「れ、れれれ玲っ?!」
しかし玲の突然の登場は都を動揺させ、都の頬を真っ赤に染めた。
「そりゃあ私は玲だけど・・どうかした?」
ほんの数時間前、姫子やくるみのまえで同じようなことを言った玲だったが、今もそのときなんらかわらないそぶりだった。
「ど、どうって・・!わ、私・・」
紅い顔を隠すかのように掛け布団を手繰り寄せ、顔をうずめる。
「今は夜の7時。学校には誰も居ない、私たち以外。」
「な・・え?」
「ちょっと仕掛けをしてさ。いまは先生も、生徒も、誰も居ない」
といっても、先生に気付かれないようにする、また警備システムをのっとる、という程度の細工である。
それは橘玲にとって、全く容易いことだった。
「そ、そだ・・おかあさんが心配してるかも・・」
「大丈夫、そっちにももう連絡済み。私と勉強会してることになってる。」
さすがというべきか、‘魔女’にはぬかりなんてものはなかった。
「・・・。」
都は恥ずかしさのあまり、玲を直視することができなかった。
「でも、これ以上遅くなると心配するだろうから・・」
都に歩み寄ってくる玲。そして彼女は都の顔を覗き込み、微笑んだ。
「一緒に帰ろう、都」
都はまた身体が火照っていくような感覚を覚えていた。
「玲・・そ、その・・私らってさ・・・」
「ん?」
都が夜道を歩きながら訊く。玲が都のほうを向いたとき、彼女は依然として俯いたままだった。
「え、えと・・だから・・ぇ・・えっち・・したんだよね・・・?」
困惑した表情で訊く彼女が、顔を紅く染めていたとうのは言うまでも無い。
「ああ、した。」
きっぱりと、答えた。それこそが目的なのだから、玲には隠す意味が無かった。
「・・・。」
紅い顔はそのままに、黙りこくる都をみて、悪戯心がわきあがる。
「可愛かった、都。すっごく。」
真剣な顔をして自分の本音を投げかける。
玲にとって真剣な思いであるから、それに演技力は必要としなかった。
「ち、ちょとっ!な、なにいってんのっ?!」
「本気で言ってるんだけど。」
背中を丸めて真っ赤な顔を隠した都。玲にはそれがたまらなかったわけだが。
「これで点数もとれるんだから、まさに一石二鳥なわけだ。」
いつまでもそんな彼女をみていたかったけど、また次の悪戯心がわきあがり、
玲は別の話を振ることにした。
「・・・ホントに大丈夫なの・・?この方法・・・」
予想通り心配そうに玲を見上げる都。
「さぁ、前例なんて無いし。」
玲はあえてそっぽを向いて、いい加減に答えた。
「なっ・・・?!」
このときばかりは都も本気で玲を睨みつけた。
しかし玲にとってそれは子どもをあやすのと変わらないほど造作も無いことだった。
「でも学年2位の私が勉強を教えてるのにかわりはないだろ?」
「そ、そうだけど・・・」
だからといってあんな方法でなくとも・・と続けようとした都だったが、
今思い返してもとてつもなく恥ずかしいことであって、ただ顔を紅くして俯いた。
「そうこうしてる間についたぞ、都。」
「ぁ・・うん・・・。」
「それじゃ、おやすみ。また明日。」
「ぉ・・おやすみ・・・・」
都を無事家まで送り届けた玲は名残惜しく思いながらも小さく手を振った。
「れ、玲っ・・!」
「ん?」
都は玲の背中に向かってその名を叫んだ。玲は首だけ振り返り、次の言葉を待った。
「そ、その・・・・えっと・・」
「・・。」
またもや頬を紅く染め、言葉に詰まって眼を背ける都。
玲はそんな彼女をみて今度は体ごと都のほうを向いた。
「私・・れ、玲のこと・・好き・・かも・・・。」
玲を見つめ直して、都は思い切って告白した。
微笑を浮かべた玲はあっさりと返答する。
「そっか、それはよかった。」
「・・・・。」
冷たい反応に寂しさを感じた都に対し、また小さく手を振ってふりかえる玲。
「じゃな。」

玲が角を曲がって見えなくなったその直後、
都のケータイに『大好き』のメールが届いた。


(続く?)


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