えろぽに第一話「雨降って地固まる」 作:雫
雨が降っていた。
くるみが一度起こしてくれたけれど今朝はやけに眠くて結局、寝過ごしてしまった。現在時刻は十時を回っていた。
「うっわー。土砂降りじゃん」
窓に容赦なく吹きつける雨風を見て、ため息を一つ。
「こりゃ学校着く頃にはずぶ濡れだな。タオル持って行くか」
家を一歩出た途端、真横から嬲るように雨粒が全身を打つ。梅雨だし仕方ないか、と俺は覚悟を決めて傘を片手に駆け出す。
途中、ときどきくるみと一緒にいる変な猫を見かけたが、声は掛けなかった。そんな暇はないしな。
段々靴の中も雨水が浸食してきて、ぐしょぐしょと嫌な感触を覚えたところで、道の先に小さな人影を見つけた。
「あれ?」
とぼとぼと歩いているその人影は見覚えのあるものだった。子供のように小さい。つーかあれは子供だ。そして長く綺麗な金髪を見て、ようやく気づく。
俺は小走りにその人物に近づいた。
「宮本先生っ。おはよーございます」
明るく挨拶して、「お前も遅刻かよだらしねーなっ」という悪態をつかれることを期待したが、反応は意外なものだった。
「………ぐずっ」
え? 泣いてる?
「あの、宮本先生?」
「うるさいっ! あっち行け!」
宮本先生はぶんぶんと鞄を振り回した。俺はわけもわからず、その鞄を抱えて制止する。
「………ひっく…」
俺はゆっくりと鞄を離した。……いつもと違うぞ?
ぐずりながら、宮本先生は俺を無視して歩いていく。
「ん…」
よく見ると、宮本先生の服はびしょびしょに濡れていて、所々泥を被っているようだった。
転んだか、撥ねられたか。あるいは両方か。
スカートも特に濡れているのがわかる。薄い素材らしく、艶かしいラインが明らかだった。
――いや、下着が透けてるとかそういうことを言いたいわけじゃないからな。や、マジで。
そして、風で壊れたのか、折れ曲がった傘を無理やり差しているが、すでにそれは傘としては役立っていない。加えて強風。宮本先生の足取りは重く、あまり前には進んでいなかった。
「宮本先生」
「…………」
俺は先生と並んで歩く。
「なんか、あったんですか?」
「うるさい。遅刻馬鹿」
「あはは、先生も遅刻じゃないっすか」
「私は今日は午後からなんだ! お前と一緒にするな!」
宮本先生はぷいっと顔を背けた。泣き顔を見られたくないらしい。
――放課後。
雨はとうに止み、涼しい風が教室に吹き込む。
「ふうっ。こんなもんだろ…」
いつものように生徒会の雑務をこなして帰路に着こうとした、そのときだった。
「桃瀬君、桃瀬君」
「ん?」
声を掛けてきたのは、クラスメイトで映画研究部所属、来栖柚子だった。
「なんか用?」
「今、宮本先生の所に今度の映画の打ち合わせに行ってね」
「映画…ああ、次回作は宮本先生を使って作るんだっけ」
「うん。それで打ち合わせが終わった後、私こっそり呼ばれて、なんか桃瀬君のこと色々聞かれたんですけど?」
興味津々といった表情の来栖。こいつ、思い込み激しいからなあ。変な誤解してるんじゃないか。
「………ああ、そう」
「あーっ! そっけないです!」
ぶー、と来栖は口を尖らせた。
「や、お前の思ってるようなことはないからな」
否定しておく。まあ、その通りだしな。
「少し怪しいですけど……うーん。あ、芹沢さん待たせてるんだった。急がないと!」
来栖はまた明日、と言い残して踵を返し走り去っていった。
俺は鞄を手に取り、下駄箱に向かう。
「宮本先生がね……。なんだろ?」
今日、一緒に登校したことを思い返す。――俺、何かしたっけ?
「まあいいや」
俺はずぶ濡れの靴を穿いた。ぐっしょり湿っていて気持ち悪い。やれやれ。
放課後の六時となると、さすがに残っている生徒はほとんどいない。
水溜りを避けながら、校門を通り過ぎようとしたそのとき、何かが聴こえた気がした。
「………?」
今、誰か俺のこと呼んでいたような? 周囲を見回し、耳を傾ける。
「桃瀬ー」
「――あ」
ようやくその声の正体に気づく。
俺に向かって駆けてくるのは――宮本先生だった。だが、その容貌に少し戸惑う。
「呼んでるんだから返事しろよ」
はあはあ、と肩で息をしながら、にこっと笑う先生。気のせいか、顔がほんのりと赤い。
「なんすか。先生も今帰り?」
「うん。映研の連中がなかなか帰してくれなくてな。桃瀬も遅いな。居残りか?」
「まあ生徒会の仕事が色々ありまして……つーか、先生。一つ聞きたいんですけど」
「ん? なんだ?」
「なんで制服着てるんです?」
「うあ…」
顔を真っ赤にしながら、宮本先生は「見るなー」と言って両手をぶんぶんと振った。
そう、宮本先生は桃月学園の制服を着ていたのだ。丁寧にも綺麗な金髪を左右に結わっている。
「ああ。もしかして、雨で濡れたから衣装部から借りたとか?」
「………」
先生は目を背けながら、こくっと頷いた。照れてるのかな。
「柏木姉妹が、持ってきて…姫子たちが無理矢理着せたんだ。私はよせって言ったのに…それで、その……」
声がどんどん小さくなっていく。そんな先生がすごくいじらしく思えた。
「似合ってますよ。可愛いです」
ぽん、と頭に手をやり素直に思ったことを言った。調子に乗って軽く撫でてやる。
「――あれ?」
「………」
てっきり、ガキ扱いするなーって怒ると思ったのに宮本先生は俯いたままだった。
「先生?」
「もう少し、そのまま……撫でてくれ…」
それだけ言って沈黙する。先生の顔が見えないので気持ちが読み取れない。髪から覗く耳が真っ赤なところを見ると、緊張しているのだろうか?
とりあえず俺は優しく頭を撫で続けた。
校門前なので誰かに見られたりしないか、どきどきしたが誰もいないようだった。
「先生の金髪、綺麗っすねー。さらさらしてる」
「………ありがと。んっ…」
――感じているのか? まさかな。俺はふっと笑った。
しばらくして――。
「……桃瀬」
「はい?」
「一緒に、帰ろうぜ」
ちょっと目を潤ませながら先生は言った。こういう先生は初めて見るが、結構可愛かった。
「いいですよ。お安い御用」
俺は笑って答える。
宮本先生は帰り道、色々な話をしてくれた。クラスのことや職員室での五十嵐先生のあれこれ、今日くるみが未確認だという話はすごく笑わされた。
途中、先生が休憩と言って公園に寄った。
林に囲まれているためか、公園の中は閉鎖的だ。さらに奥に行くと屋根付の休憩所があり、そこに俺と先生は入った。その休憩所は木造の囲いで作られていて、ベンチがあった。
「ほら。桃瀬も座れよ」
「おう」
先生の隣に腰掛けて、ふーっと息を吐く。
辺りはとても静かで、心地よい風が吹いていた。
「今朝はありがとな。助かったよ」
「ん、いや別に…」
と、そこで静寂。
俺は隣にいる宮本先生の顔を見る。お人形さんみたいにきめ細やかな肌。まつ毛は長く、青い瞳は吸い込まれそうだった。
「……ん?」
凝視していたことに気づいたらしい。先生は小首を傾げる。
俺は目を逸らさず、口に出していた。
「こうしてると、カップルみたいですね」
深い意味はない。そう思ったから言っただけだ。
だが、先生は顔を真っ赤にしたかと思うと、すぐに立ち上がって言う。
「な、何言ってるんだよ、先生だぞ!? 天才だぞ!?」
動揺する宮本先生が面白くて、俺は続ける。
「いえいえ、こうして同じ学校の制服着てるんだし、付き合ってると思われますよ。今、周りに人いないけど…」
あはは、と笑う。すると、なぜか先生は俺と一つ距離を置くように座り、俯いてしまった。
失言だったか、と反省する。
「あ、ごめんなさい。調子に乗っちゃったみたいっすね」
「……桃瀬は、そのっ…」
「え?」
「……………」
言葉は続かない。
空気がしんと静まる。周りの木々がざわざわと揺れるのをやめていた。
まるで、世界に俺と宮本先生が取り残されたような感覚。
たった席一つ分、距離があるとはいえ、先生がとても近くに感じられた。
沈黙を終わらせるように俺は意を決して口を開いた。
「宮本先生。もう辺り真っ暗になってきましたし、帰りましょうか。家まで送りますよ」
いくら電灯があるとはいえ、先生に夜道は危ないと思った。俺は立ち上がろうとした――瞬間。
「え?」
腕を掴まれるや否や、かなり強く引っ張られた。突然のことだったので、俺はうまく立ち上がることができず、引っ張った先生へと――
「おわっ!?」
倒れこんだ。
「――っ!」
気づけば、先生に抱き抱えられるような姿勢だった。顔は先生の胸の中。俺は地べたに膝を着いて、自身の重心を先生に預ける形となっていた。
「ちょ…先生?」
いつの間にか、先生の両手が俺の頭を抱えるように固定していた。ていうか胸、当たってますよ!? …ん、背中で感じるより結構柔らかく感じられた。
「桃瀬…じっとしてろ」
そう言うと、先生は俺の頭を撫で始めた。さっき俺がしたように、優しく、揉むように撫でる先生。胸に顔をうずめているため、先生がどんな顔をしているのかわからない。
つーか、年下のちびっ子に頭を撫でられるってのはどういうことなんだ? わけがわからない俺はただされるがままだった。
「気持ちいいか?」
「まあ…」
正直、戸惑いの方が大きい。
「そっか」
先生は小さく頷き、撫で続ける。心なし、先生が震えていた。
そして――。
「ごめん桃瀬――私はお前が好きだ」
「――え?」
告白された。
俺は呆然としながら、先生の胸に乗せたまま顔を上げる。
そこには――いつもの宮本先生の笑顔があった。
「えへへ。何言ってるんだって思ってるだろ」
恥ずかしそうに頭をかく仕草は子供のそれとは違い、一人の女性として俺の目に映った。
「…………」
「なんか言えよ。桃瀬修」
頬を紅潮させた先生が俺の顔を見つめてきた。
「………」
俺は無言のままだった。
どくん。どくん。
先生の胸の鼓動を顔で感じる。
「先生…あったかいなあ」
と、俺は先生の胸の上で猫がごろごろするように頭を動かす。
「ふぁ…っ」
「感じやすいんですね。宮本先生」
そのままごろごろする俺。小さく柔らかい胸が簡単に潰れるのがわかった。
「や、やめろよ……」
「かわいい」
と、制服の上から、おそらく突起があると思われる位置に口をつけた。
「――うあぁっ!?」
「これ、先生の乳首?」
制服越しにぺろぺろと舐めてみる。
「やっ…やだっ……」
「って言う割には俺のシャツの裾を握って離さないんですね」
ぎゅうっと絞るように先生は俺のシャツを掴んでいた。
「あぅ…ふ……っ」
――と、そこで行為を中断して、立ち上がる。
「も、桃瀬?」
「――いいんですか?」
「ん…」
先生は胸元を押えるようにして、不安げな表情だった。
俺はついにその言葉を口にする。
「宮本先生のこと――マジで好きになっちゃいますよ?」
「……桃瀬」
俺はぽんと先生の頭に手をやった。先生は目をぱちぱちさせながら頷いた。
「そうなったら、嬉しいぞ」
と言って、にこっと笑う先生。俺はよしよしと少し強く頭を撫でてから、先生を抱き締めた。
「あ、うう……っ」
「大丈夫。優しくしますから」
と耳元で囁く。こくこくと先生は頷いて、俺の背中に手を回して抱き返してくれた。
「柔らかいですね…先生は」
力を込めたら壊れてしまうのではないか、と思わせるくらい華奢で小さな身体。けれど、それは間違いなく女性特有の柔らかさを保有していた。
「あったかいです」
「んっ…桃瀬。もっと強く抱いて…」
「こう?」
「や…ぁ……んんっ」
先生も負けじと俺を強く抱き締めてきた。
サワサワと艶やかな金髪が鼻をくすぐる。先生の匂いがした。鼻に残るいい匂い。これは――
「先生……なんかミルクの匂いがする。甘いホットミルク、みたいな?」
「えっち」
「ははっ。否定はしませんよ。けどマジでいい匂いだなあ。クセになりそうっす」
「――ちょっ!? そんなくんくんすんなよ!」
どうどう、と先生は俺の背中をぽんぽん叩く。構わず俺は、目の前の小さな耳たぶをぺろりと舐めた。
「ぁんッ!?…うう……どこ舐めてるんだよ、もう」
「耳、感じやすいんですね。ビクってしましたもん」
「桃瀬のばかぁ…」
懲りずに今度は耳を軽く噛んでみた。
「〜〜っ!!」
言葉にならない悲鳴が上がる。先生は目を固く閉じて、俺にしがみつくように腕に力を込めてきた。
「はむはむっ……」
わざと声に出して耳を食む。その感触は例えるならとても柔らかいギョウザ、みたいな?
噛むたびに先生はびくびくっと身体を引きつらせている。
「桃瀬ぇ……やっ、あぁ…」
「そんなかわいい声出さないでくださいよ。もっと舐めたくなってきた…」
と、耳から首筋に掛けて一舐め。
「ぺろぉり」
「ふぁああああっ!?」
一際大きな声を上げると先生はぺたぁ、ともたれかかるように俺に体重を預けてきた。
「おっと。先生、大丈夫すか。しっかりしてくださいよ」
「ん、平気だ……でも桃瀬、ここで………するのか?」
その表情には少しだけ、戸惑いと怯えが見えた。俺はさっきのお返しじゃないが、先生の背中をぽんぽんと優しく叩いた。
「大丈夫ですよ。こんな奥の休憩所まで人は来ないから…つーかもう七時近いですしね」
その言葉に安心したのか、先生は「うん…」と言って両目を閉じて俺に顔を寄せた。
つまり、これは――。
俺は先生の真っ赤で形の整った唇に目をやった。――あ、ちょっと震えてる。
「先生、もしかしてキス初めて?」
「ん……そうだけど、この歳でキス未体験ってダメカナ?」
「や、全然オッケーすよ。むしろ嬉しいっす」
「そっか? えへへ」
と先生は目を閉じたまま笑った。俺は「それでは…」と呟き、唇をゆっくり重ねた。
「んっ………うぁ………っ…んん……」
先生は震えたまま呻く。苦しそうだが、唇は押し付けたままだ。ていうか先生、唇柔らかいなあ。それに、なぜかピーチの味がするし……ピーチジュースでも飲んだのかな?
俺は柔らかい唇を堪能しながら、先生を抱き締めていた右腕を動かし、先生のうなじの辺りに持っていった。
「んんッ?」
いきなり触られて驚いたらしい、目を見開きながらきょとんとする先生。
「ちゅ…先生、ここ触られると落ち着くと思ったから」
「……うん。すっごく気持ちいい。キス、続けよ?」
「おう」
「ちゅ………んんっ」
再び重なる唇。今度は最初よりも荒々しく、大胆に。
「――ん?」
ちょっとした違和感。先生の舌が俺の唇をちょんちょんと突いてきたのだ。――これは、誘っていると思っていいんだよな。よし。その誘い、乗ってやろうじゃないか。
俺も舌を突き出し、先生のそれと絡ませる。
「ちゅる…ちゅぱっ……くちゅくちゅ…」
すぐに淫靡な音が辺りにこだまする。俺は先生の口内を汚し、先生は俺の口内を巡る。
「ふにゅ……んんっ」
つーか先生、キス魔なのかな。貪るように俺の舌を求める先生にちょっと驚く。
そんな先生にプレゼントとばかり、俺はあることを実行する。
「くちゅ…んん………ふあっ!?」
と、先生が目を見開き驚いたのは、俺が溜めた唾液を先生の口内に送り込んだからだ。
戸惑う先生に、俺は笑顔で応える。もちろんそれは、飲んでいいよ、という笑み。
それを先生は察したのか、再び目を閉じて、
「ん、こくっ……んくっ…こく………っく」
と唾液を飲み込んでいく。こういう一生懸命なトコが先生の長所だよな、とぼんやりと思った。
「こくっ……んっ…」
どうやら飲み干したらしい。そこで唇をゆっくり離すと唾液が一筋、俺と先生の唇を伝って、ツツーと下に落ちていった。
「キス、上手ですね」
「ばか。お世辞はいいよ。私、初めてなんだから…」
そう言う先生はまんざらでもなさそうだった。キスが上手いってのは本当なんだけどなあ。これからもっと上手くなりそうだし――その相手は常に俺でありたい。そう思った。
キスを終え、さてどうするかと考えていると、先生がじっと下を見ているのに気づく。
「宮本先生?」
「桃瀬……これ、おっきしてるのか?」
と、先生は俺の下半身、つまりは性器を指差して訊いてきた。
「え?」
言われて俺も、自身のソレが明らかに膨張していることを悟る。
「あはは。恥ずかしいなあ。そんな指差さないでくださいよ」
そう言って先生の手を取り、その人差し指を口に含んだ。
「うああっ!? 何するんだよ!」
先生は驚いて指を引き抜こうとするが、俺は拒絶して強引に口の中に押しとどめる。
「ううっ……なんで、私の指舐めるの?」
今にも泣きそうな声。怖がっているのか、先生は片目だけ閉じて、もう片方も薄目がちになっている。
「ちゅぽちゅぽっ……こういうふうに、やってくれますか?」
「ふえ?」
先生は目を開け、俺の口に含まれた自分の人差し指と、俺の下半身を交互に見やった。
「あ……」
先生も悟ってくれたようだ。
「そういうことです」
俺はにっこり笑って、カチャカチャとベルトを外してチャックを下ろす。
「わわっ!? おい桃瀬!」
「何恥ずかしがってるんですか。ほら…」
と、俺は怒張した相棒を堂々と晒した。
「やっ、やあっ! 桃瀬、なんだよそれ!? なんでこんなおっきしてるんだよ!?」
「そんな驚かないでくださいよ。ただのちんちんですよ」
…まあ目を覚まして臨戦モード全開だけど。原因はさきほどのキス。ていうかキスだけでこんな大きくなるとは――少々、意外だった。まあそれだけ先生が魅力的だってことだ。
「ちんち………う〜」
その言葉を口にするのが恥ずかしいのか、言いかけて止める。先生の頭から湯気が出てきた。そして蒼い瞳は潤んでいて、今にも溢れそうだった。
「先生?」
「はうはうはうはう…」
「ああっ、先生、そんな隅っこ行かないでくださいよ。怖くないですから……ね?」
あやすように言ってこっちに連れ戻す。ベンチに向き合うように座り、改めて性器を見せた。
「――桃瀬。これ、怖いぞ…?」
「怖くないってば。ほら、触ってみてください」
先生の手を取り、俺はペニスの先端へと導く――
「――わあっ! もっ、もももももも桃瀬っ、触ったら、ビクって…ビクってしたぞ!?」
「そりゃ、好きな子に触られたら反応しちゃいますって。そういうもんです。まあ一種の照れ、みたいな?」
言ってて恥ずかしくなってきたが、こうでも言わないといつまでも先へは進まない。
「――あれ?」
見ると、先生の顔がぽーっと赤くなっていた。その恍惚の表情に、俺は戸惑う。
「えっと…先生?」
「桃瀬、今…好きな子って言ったよな。私のこと」
「ええ、言いましたけど?」
「えへへ〜♪」
ペッカー、と太陽のような笑顔を見せる宮本先生。どうやら俺は、いつの間にか先生にクリティカルヒットを与えていたらしい。
「そっかそっかー。私のこと好きなのかー」
「はい。好きですけど」
「いやいやいや〜、もっと言ってくれ」
なんか、その頭を掻く仕草が妙にオヤジくさかったが、喜んでるから良しとしよう。
「宮本先生、だーい好き」
「いやいやいや〜、照れるなあ♪」
かなり上機嫌だ。この調子なら――
「――先生、そろそろいいですか?」
「はうっ!?」
再びそっと先生の手を取る。
「大丈夫。そんな硬くならなくても平気ですよ。つーか硬くなるのはコレだけで充分です」
と言って、先生の手を俺の性器にあてる。
「……桃瀬。これ、熱いな」
まじまじと見つめる先生。初めて見る男の性器に興味を持ち始めたようだ。
「コイツもそれだけ興奮してるってことです。さ、好きに触ってみてください」
それは俺の欲求を満たすためのものだったが、宮本先生は小さく「…やってみる」と言った。
「――えい」
「わわっ!?」
先生はいきなり指でピンッと弾いてきた。想定外だったので俺は声を上げてしまった。
「あ、痛かったか? ごめんな」
謝る先生も凶悪にかわいかった。
「あはは。そういう刺激、結構好きですから」
「そうなの? じゃあこれは?」
と言って先生は両手で包み込むように握ってきた。
「――っくお!」
思わず呻く。先生の小さな五指×2が俺の性器の表面を撫でながら滑っていく。
「うっわ。それ、気持ちいいっす」
「うん。ビクビクいってるもんな。桃瀬のちんち…じゃなくて、このコ、段々かわいく思えてきたぞ」
「かわいいのは先生の方ですよ」
と言って俺は先生の頭を撫でた。
「あ……んんっ」
「撫でられるの好きっすか?」
「……うん。好きだ」
「じゃあ先生。次の段階、行きますか」
「次って?」
「さっき教えたじゃないすか。えっと、俺が先生の指でやったように、コレをしゃぶってほしいんですけど」
言って、少し調子に乗りすぎたか、と俺は頭を掻いてごまかす。先生はじいっと俺の性器を凝視している。
「や、先生。無理しなくていいんで……」
「――やるよ」
「はい?」
「このコをしゃぶったら、桃瀬は嬉しいんだろ?」
「――ええ。すっごく」
それを聞いた先生の目に決意の光が宿るのを見た。
「私だってできるってトコを見せてやる。天才だから、何でもできるんだ!」
先生は自分に言い聞かせるように言うと、俺の屹立するペニスに顔を近づける。
「せ、先生…」
あと三センチという距離まで顔を寄せたところで、俺の顔を見上げてきた。
「あのさ、桃瀬。いきなりしゃぶるのは、その…怖いから……まずは舐めてみていいか?」
先生は「ダメカナ?」という表情で訊いてきた。
「……つーかそれ、すっごい嬉しいんですけど? 本当は外堀を舐めてからしゃぶってもらうってのが正攻法なんですよ。王道っつーか…」
「へえ。そうなのか。桃瀬、詳しいな」
感心したように「なるほど」と先生。そんな頷かなくてもいいのに。
「まあ受け売りですけどね。あはは」
「それじゃ、やってみる。初めてだから、上手くできないかもしれないけど…」
先生はちょろっと真っ赤な舌を出した。
「ごくっ」
唾を飲み込んだのは俺だったか、否、先生の方かもしれない。
「…ぺろ」
「っ!!」
――痺れた! ただぺろりと一回、舐めてもらっただけなのに――と、すぐに先生の舌がぺろぺろと先端を舐め始める。
「ぺろ………ぺろぺろ……ちゅっ」
「おおっ!?」
「れろ……キスしてみたんだけど…気持ち良かった? えへへ…ちゅぷっ」
唇をペニスの先端に押し付けたままの先生。ていうかそれは絵的にも反則だろ。えろすぎるぞ。
「……先生、才能ありますよ」
「そう?」
俺の言葉に気を良くしたのか、先生は積極的に舐め回していく。
「うああっ!」
「ちゅっ……れろ…桃瀬。先っぽ、舐められるの好きなの?」
「ううっ…くぅ。好き、です」
それだけ言うのが精一杯だった。
「そっか。じゃあ、もっと舐めるね…ぺろぺろ」
これまでと違い、妙に色っぽい声を出す宮本先生に俺は戸惑う。
つーかマジで初めてなのか? すっごく気持ちいいんだけど。
「先生…俺っ」
正気を保てそうにない。俺は放出が近いことを察知する。
「ちゅぷちゅぷっ……桃瀬、平気か?…くちゅ、れろれろ…はむっ……ちゅぽんっ」
「っつ!!」
気づいたときには遅かった。先生の新しい技が俺を襲い始めたのだ。
「ふふっ…こういうふうに上下すると、気持ちいいかなって…くぽっ、ふぁ…」
先生の上下運動により、更なる快感が押し寄せる。
「ちゅぽっ…んぐっ…ちゅぷ……ん、んんっ…くちゅ、ちゅるっ」
「っうう、あっ…はあっ」
「んんっ……ちゅぽっ…あ?」
先生が動きを緩めた。
「え?」
「桃瀬、なんか……少し出てきた。ちょっと苦いけど…なんだろこれ? ドロっとしてる…んんっ…ごくっ」
「ううっ…それは、いわゆる精液ってヤツです。聞いたことくらいありますよね? 気持ち良すぎて、少しだけ、先走って出てきちゃったんです」
「コレが……そっか。じゃあもっとしゃぶれば出てくるの?」
「はい。つーかもう限界近いんで…」
「んんっ…ちゅる、くぽぽっ……ふふっ、桃瀬のその顔、すごく好きだ……ちゅぽっ」
限界が――近い。
「宮本先生、俺、もう……」
――と、突き抜けるような感覚!
思考は停止し、そして――
「う、おおおぉぉぉおおおおおぉぉおおおぉっっ!!!」
俺は先生の口内に、全てを放出した!!
快感に満たされる。
「――んぐっ!!? んんっ…ん〜〜!?」
どぱぁうっ。どどっ。どぽっ。どぴゅう。どっ。どどっ。
脈打つように俺のペニスは放出を繰り返しながら、先生の口内を蹂躙する。
なかなか止まないので、俺も少し不安になる。
先生はというと――
「こぽっ…んぐ…っ」
口いっぱいの精液をどうしていいかわからない面持ちで俺の顔を窺ってきた。
「先生。無理しないで、吐き出しちゃってください」
と言うと、先生は俺のペニスを咥えたまま首をぶんぶんと横に振った。
「ん〜っ、んぐっ……ごくっ、ごく、ごくっ………こくっ」
「あ…先生っ」
一滴一滴味わうように、先生は飲み込んでいく。その口の端からは唾液と精液が混ざり合った、白濁色の液体が漏れ出していた。
「こくっ、んくっ…んく………こく…っく…ううっ」
――ようやく、飲み干したようだ。先生は静かに、かぱぁっと俺のペニスから口を離した。
「ふぁう……ううっ…も、桃瀬…」
先生はとろんとした眼差しで俺の顔を見上げる。
「も、もせ……こほっ。うう」
辛そうだった。…そりゃ、あれだけ精液飲み込めばなあ。
俺は先生の頬に手を当てた。先生はぴくっと反応した。
「先生、頑張りましたね。すっごく気持ち良かったです」
「――桃瀬の…いっぱい飲んじゃった」
「おいしかったですか?」
「ん……最初、苦いと思ったけど…」
そう言って先生は舌を出して、口周りに付着していた精液をぺろりと舐め取っていった。
「れろ……んんっ…もう付いてない?」
「はい。よくできました。偉い偉い」
と、もう一方の手でいい子いい子するように頭を撫でてやった。
「えへへ〜♪」
「さてと、先生」
俺は先生の制服に手を掛けた。
「え? 桃瀬?」
「先生……脱がしていい?」
「脱がすって、え?」
宮本先生は不安そうな表情を浮かべた。
「そうしないとできないから……上、脱がしますよ」
「う、うん」
普段はわがままな先生もこういう状況下なら従順なものだ。先生に両腕を上げさせて、俺は一気に制服を取っ払う。
「お? 先生、かわいいブラしてますね」
ピンクの花柄。先生にとても似合っていた。
「うう…見るなよ、これは私の趣味じゃないんだ。借りたっていうか……その…」
目を逸らす先生。かなり照れているようだ。
「ああ、借り物……今朝の雨で下着も濡れたってことっすか」
先生はこくっと頷く。
「柏木姉妹に制服借りてるとき、姫子のヤツが…どっかから持ってきたんだ。それで仕方なく…」
「へえ……ていうか先生。胸」
「ん…?――あっ!?」
俺はとっくに先生に気づかれることなく、ホックを外していた。つまり、胸はすでに露わになっていて――
「な、桃瀬! いつの間に!? 見るなー」
「先生、手で隠しても無駄ですって。いいじゃないすか。見せてくださいよ」
俺は先生の手を取り、徐々にその白い膨らみを露出させる。
「はうはう…」
そこには――まだ成長を始めたばかりの、ほんの小さな起伏があった。ちょこんと淡いピンクの乳首と、新雪のような白い肌に目がくらむ。
「すっげーきれいっす」
「お世辞はいいよ。私の、ちっちゃいし……」
「そんなことないですよ。その歳でこれだけ発育してるんだから、将来有望ですよ」
歳相応以上には先生の胸はあるように思える。少なくとも、くるみが先生と同じ歳くらいのときはこれほどなかった気がする。ということは、あと5,6年も経てば先生は今のくるみ以上になったりして――と、思考はその辺にして。
改めて先生の胸に見入る。
「そ、そんなじっと見るなよっ…男はみんなおっきい方が好きだって、都が言ってたぞ。……桃瀬もそうなんだろ?」
「え、うーん……まあ」
「やっぱり……」
思いっきり肩を落とす先生。
「そんながっくりしないでくださいよ。先生の胸だってかわいくて好きですから」
弁解っぽく聞こえるかな、と思ったが先生は小さく「…ありがと」と言って俺の頬にちゅ、とキスをした。
「先生……」
「うん。触っていいよ」
「それじゃ…」
俺は両手でゆっくりと揉み始めた。ふにふにと、少しひんやりとした感触を楽しむ。
「気持ちいいですか?」
「ううっ……あッ、くぅうう……桃瀬、それいいっ…すごくいい」
「感じやすいなあ。次は乳首、弄っちゃおうかな」
親指と人差し指でピンク色の突起をつまんでみた。
「ああっ!?」
「捻ってみたりして」
「ふぁああっ!」
「あはは。先生、声上げすぎですよ」
面白くなってきた。宮本先生の反応が俺の嗜虐心を刺激する。
「そ、そんなの、うあ〜…やめろよっ……ぁんっ!」
「口ではそう言ってても、しっかり感じてるじゃないですか」
「んんっ…ん………くッ」
堪えるように、先生は目と口を閉じて抵抗する。
「先生、さっきは制服越しで味わえなかったから、今度は直接舐めていいですか?」
「ちょ、桃瀬?」
俺はその真っ白な肉まんのような胸に口をつけた。
「――きゃうっ!?」
「ちゅ……っ」
「ううっ…やっ、やっ……はうっ…ん」
先生は足をばたばたさせながら呻いている。俺は調子に乗って、ぺろぺろと舐め回していく。
「れろれろ………おいしいっす。先生♪」
「うああぁっ……も、も…せ……はうぅぅ」
胸を舐められるなんて初めてだろう、先生はぴくぴくっと震えていた。
――と、俺の舌がある異変を察知する。
「……先生、乳首勃ってきた」
「やあッ……言うなー、恥ずかしいだろ、ばかぁ」
「マジでかわいいなあ。ぺろっ…」
「うう…」
段々と、二人の呼吸が荒くなっていく。
「――先生、吸っていい?」
「はうぅっ……」
聞こえているのか、頬をさらに紅潮させていく先生。俺は肯定と取り、そして――
「ちゅる、ちゅぅうう……ちゅぱっ」
「〜〜んっ!!」
見ると、先生の目から一滴の涙が頬を伝っていく。
「桃瀬ぇ…それだめっ…だめだってば……」
「ちゅっ…ちゅうう………ぷはっ」
「ふぁああっ!!」
「クセになりそうっすね」
「んんっ」
身をよじるように先生は俺の愛撫から逃げようともがく。しかし、俺は先生の身体に腕を回し、固定する。これで動けない。
「や…やなのっ! 桃瀬、私……はうはうっ」
「くちゅ……そんな声で鳴かないでくださいよ。俺だって理性抑えるの必死なんですから」
俺は乳首を責めつつ、スカートをそっとめくり上げていく。
「あっ!? やだ、やめろよっ、スカートは……きゃッ」
「こっちも見せてくださいね」
と言って俺はスカートを完全にめくり上げると――
「…つーか先生、これまたかわいいの穿いてますね。ウサギさんですか」
白地にピンクのウサギさんが現れた。
「うあー。見るなー、姫子が買ってきたんだよ、はうはうはう…」
「片桐が……あいつ、昼休み抜け出てわざわざ…」
少し呆れるが、まあいい。あいつもなかなかわかってるじゃないか。
「もういいだろ、そんなに見るなよー」
「先生、俺が言うのもアレですが…濡れてますよ?」
「ええっ!?」
そう、先生のウサギさぱんつはすでにぐっしょりと濡れていて、大きな染みができていた。
「ううっ……私は漏らしてないぞっ! こんなのっ」
「や、だから漏らしたとかじゃなくて……女の子は感じると濡れるんですよ」
「ふぇ? そぉなのか? でも…」
これほど濡れたのは初めてなのか、戸惑いを隠せないらしい。
「これ以上濡らさないためにも、脱ぎましょう」
「ううっ…脱ぐのやだ」
と駄々をこねる先生。俺はふうっと息を吐いて言う。
「じゃ、俺が脱がしますよ」
「えっ……」
先生は何か言いかけたが、やがてこくっと頷いた。――あれ? 脱がして欲しかったのか。
俺は手を掛けてゆっくりと脱がしていく。
――こうして。
靴下以外は脱ぎさった先生の完成だった(ちなみに俺もワイシャツを脱ぎ、ベンチに敷いた。ベンチは固いし先生も裸じゃ背中、冷たいだろうからな)。
「へえ、先生のって…あ?」
先生は必死に秘部を隠そうしていた。すでに俺は脱がしたときしっかり見ているのに。
「手、どかしてくださいよ」
「やだやだ、もう見られたくないっ」
「焦らしてもだめですよ。ほら」
「ううっ…」
俺は手を除き、改めて目にする――。
「わあ…」
そこは――もちろん何も生えていない、つるつるの表面に申し訳ない程度に一筋の割れ目があった。しかもキラキラ光る糸を引いている。
「桃瀬、あんま見んなよー」
「いいじゃないっすか。先生も俺の散々見て、弄んだことだし。今度は俺の番です」
「はうはうはう……」
俺は人差し指でそこを撫でた。
「っっっつ!!」
ビクンと反応し、硬直する先生。
「先生、これから気持ち良くなりますからね」
俺はそう言って、中へと指を挿れていく――。
「はうッ!?」
――にゅるん。
「……入っちゃった」
と、挿れた自分が驚くほど簡単に人差し指が入ってしまった。
「も、もせ…痛い、痛いぞ。早く抜いて……くぁっ…」
「あは。先生の中…ぬるぬるしてるし、ちょっと溢れてきた……」
「ああッ…」
しばし、指で先生の中を巡る。指をちょっと動かしただけで、先生はぴくぴくっと身体を痙攣させるのが面白かった。
ぴちゃ。ぴちゃ。くちゅっ。ちゅぷぷっ。
「ううっ……にゃッ!?」
嬌声が上がる。
それは俺が小さな突起を探り当て、刺激を加えたからだ。
「やっ…そこ触っちゃだめ……んくッ…」
「あーあ。先生、また溢れてきた」
「んんっ…」
猫のように身体をよじる様を見て、俺の中である欲望が芽生えた。
「先生…今からすること、驚かないでくださいね」
「ん…、何を……ふぁっ」
指を勢いよく抜き、びしょびしょのそこに俺は口をつけた。
「んぐぅっっ!!」
「ぴちゃ…舌入れますよー」
「ひゃあっ!」
「ぴちゃっ。ちゅぷぅ…ちゅぱっ…ん、おいしい……え?」
――そのとき。
舌責めしていた俺が動きを止めたのは、秘部から液が、ちょろろっ、ちょろろ、ぴちゃあぁぁぁっと溢れて、否、噴き出してきたのだ。これは――
「せんせっ!?」
「んぐぅううううう、ふっ…んんんッ…………くっ」
先生は歯を食いしばるようにして、固く目を閉じて、ただ放出する。
それは、まごうことなき先生の――聖水だった。
「はっ…はぅうう」
絞り出すようにして――先生は聖水を出しつくしたらしい、噴水が収まる。
「……先生、大丈夫ですか」
「………」
先生は答えない。ただ、自分が作った大きな染み(奇しくもそれはベンチに敷いていた俺のシャツの上だ)をぼんやりと見ていた。
「あの…先生?」
「――おしっこ、出ちゃった…」
と言うや否や、先生は泣き出してしまった。
「っふぁあああん! はうはうっ、うえぇぇええん!!」
「ちょ、先生!?」
そりゃ、人前で、まして男の前で自分の放尿シーンを晒したわけだから、それなりのショックはわかるけど、泣かなくてもいいのに――。
だが、先生はまだ子供だということを思い出す。子供だからこそ、晒せない、晒したくない一線はあったに違いない。
俺は先生が泣き止むまでお預けを食らった犬のように静かに先生の傍に寄って、抱き締めた。
「大丈夫…先生、大丈夫だから。恥ずかしくないですよ。出ちゃったもんはしょうがないです」
フォローになっているかどうか甚だ疑問だが、俺は先生を抱き締めながら優しい言葉を掛け続けた。
「ひっぐ…ぐずっ、うううううっ」
「ほら。先生、撫で撫でしてあげます。よしよし…」
「う、ううっ…桃瀬ぇ……えっぐ…」
――こうして、先生が泣き止むまで結局十分以上かかったわけだが、まあ泣き止んだだけ良しとしよう。
「さ、先生。もう平気ですか」
「うん……その、いきなりおしっこ出ちゃって、取り乱した。すまん」
「いいですよ。初めてなんだし色々イレギュラーな事態も起こりますから…」
つーか、ぶっちゃけ俺のせいなんじゃないか? という疑問は頭の片隅に追いやっておく。
「桃瀬、これからどうするの?」
「決まってるじゃないですか。続き、しましょう」
「続きって……何の?」
「せっくす」
「せっくちゅ?」
小首を傾げる先生。くそう、何でこんなにかわいいんだ!
俺はさっきの抱擁とは比べ物にならないくらい強く抱き締めた。
「やあっ……桃瀬!? なんか、熱いの、当たってる!」
「あ」
言われて気づく。とっくに回復して、熱を持った相棒を先生の繊細な肌に押し付けてしまっていた。
「ごめんなさい」
俺は素直に謝った。
「うん…熱かったからびっくりした。でもコレ、さっきよりおっきしてないか?」
「まあ本番だから気合入ってるんですよ」
「本番……」
「そう、せっくちゅ」
言って、あははと笑う。先生はすぐにカアっと赤くなって、
「むきーっ…ばかにするなー!」
と喚いた。…ふむ、どうやら立ち直ったらしい。これでこそ先生だ。
俺は先生をベンチに寝かした。シャツはおしっこで濡れちゃったので、その上に俺の制服のズボンを代わりに敷いた。
「桃瀬…私、横になっていいの?」
「はい。本当は四つんばいでしたかったけど、折角の初体験ですしね」
「…ふうん?」
「いや、気にしなくていいです。さてと」
俺は先生に覆い被さった。
「極力ゆっくり、優しくやりますけど、痛かったら無理しないで言ってください」
「ん……痛いのやだ。でも……桃瀬と、一つになりたい」
にこっと笑う先生。――この笑みが、好きなんだ。
「行きます」
「んんっ」
俺は性器を先生にあてがい、ゆっくりと中へと挿入する。
ずぷっ。
「痛っ!」
「あ、先生…」
「痛いよ、桃瀬っ」
先生は小刻みに震えていた。
「やっぱ止めますか?」
「ん…続けて。お願いだから」
俺はペニスの先端を静かに、慎重に挿れていく。
じゅぷぷっ。くぷっ。ずぶっ。
「――っ!!」
びくびくっと先生の身体が痙攣する。先生の嗚咽が聞こえる。
「ううっ…や、ああぅ……つ…」
「先生、もうちょっとです、がんばってくださいっ。うぅっ」
俺もそれほど余裕があるわけじゃない。気を抜いたらイっちゃいそうなくらい、先生の中は暖かく、それでいて気持ちよかった。
ずっ。じゅるっ。にゅぷっ。
「っつ! 桃瀬ぇ、ううっ…」
「く……」
もう少しだ。もう少しの侵攻で先生の中を俺で満たすことができる。
「うおおおっ」
気づけば俺は雄叫びを上げていた。
「ふあぁぁあぁぁああああああぁ!!」
――そのとき、何かが、破れる音がした。
そして。
「…ふうっ。先生、入ったよ」
俺のペニスが先生の中に――。
「はうはう……おなか、熱いの。んっ…桃瀬の、中で当たってる」
「先生の中、とても熱いですにゅるにゅるしてるし…でも――」
「ふぁ……でも、何?」
「先生と繋がってるのが嬉しい」
それは俺の本心だった。先生とはいえ、俺よりずっと年下の女の子。ハーフで金髪。ちびっ子で天才。
けど、この宮本先生こそ、俺の最愛の人――。
「私も、嬉しい」
えへへ、と先生は照れ笑いを浮かべた。
「それじゃ、動きますよ」
「んっ…」
俺は腰を可能な限りスローで動かし始めた。
「ふぅう…んっ……んっ」
「うおっ! 先生の、すっごい濡れてる!」
これはやばい。マジですぐイっちまうかもしれないくらいの快感がペニスの先端から脳天まで一気に駆け巡る。
「くぅ…痛っ…うう、ふぁあっ」
先生が懸命に痛みを堪えているのがわかる。かといって動きを緩めるつもりは更々なかった。
「先生っ……っくぅ…おおおおっ」
「んぐぅ……ふぁ、やっ、やああっ……も、もせぇ」
「っく、気持ちいいっす、はあっ…んん……」
俺の意思とは関係なく、段々腰を打ち付ける速度が上がる。
ずちゃっ。ぴちゃっ。くちゅ。ずぷぷっ。じゅぷっ。ぴちゃ。ずぽっ。
「っつあ! 桃瀬、そこっ、そこぉっ…くうぅ、気持ちいいの……もっと、もっと奥にぃぃ!」
先生も感じ始めたようだ。俺は速度を上げる。
「うおおおっ、くあ、もうちょっとで、先生、俺……」
「桃瀬、私も、もう、はうはうっ…んんっ…ふぁあっ」
絶頂がすぐそこまで迫っていた。
「俺、もう…っ」
「ふぁあっ、やあッ、桃瀬ぇっ…にゃッ…ああっ……」
そして――、
俺は、勢いよく、先生の中に――、
「うううっつあぁぁあああああぁぁぁあぁぁああ!!!!」
――ぶちまけたっ!!!
飛び出る兆の精子が一つ一つ、先生の中を蹂躙する!!
さっき一回出しているとは思えない質量の精液が放出される。
どぽぽっ。どぴゅう、どぅ、どっ! どどっ!
先生は――
「ふあっ!?…やっ…やああぁぁああああぁぁあああぁっっっ!!」
ビクビク、ビクン、と身体が跳ねる、跳ねるっ!
髪を振り乱しながら、ちびっ子の天才は――俺の放出と同調し、痙攣している。
その光景は――ただ美しいとしか表現できなかった。
金色の髪が煌いて、やがて先生の額にぺったりとついた。俺は手を伸ばして整えてやる。
「先生…」
「やっ…ん、ぐぅ……桃…瀬……んんっ…熱い、桃瀬の、いっぱい私の中に…」
「全部、注ぎ込みましたよ」
俺は一息ついて言う。そして、まだ少しだけ放出をしていた相棒を引き抜いた。
どぽぉ。
「ひぐぅ!?」
すると、俺もそれはさすがに予測していなかったのだが、先生のヘソの辺りに残った精液をぶっ掛けてしまった。
「熱ッ!!」
先生がお腹を抑える。俺はしまったと思い、精液を手で拭ってやった。うあ。確かに熱い。ごめんなさい、先生。
見れば、先生のつるつるの割れ目の辺り一面に血がぽたぽたと落ちていた。
「先生、痛かった?」
「少しだけ…」
「これ、血ついちゃってるからきれいにしてあげます」
俺は先生の股間に顔をうずめて割れ目付近の血を舌ですくうように舐め取っていった。
「うう。桃瀬……いいのに…くあ」
「何がいいんですか。ここきれいにしないと帰れませんよ。ぺろぺろ…」
一通り舐めたあと、最後に先生のつるつるのソコにキスをした。
「ちゅ…」
「きゃあっ!?」
「かわいい」
「…ばかぁ」
そんなわけで。
行為を終えた俺と先生はベンチの上で抱き合っていた。お互いの熱を冷ますように、あるいはお互いの熱を共有するように…。
先生の血が、下に敷いておいた俺のズボンやシャツの上に点々とあちこちについていた。
まあクリーニングで落ちるだろう。
「桃瀬…」
「終わりましたね。初めてはどうでした?」
「痛かった……けど、気持ちよかった。えへへ♪」
無邪気に笑う先生。初体験を済ませた後だってのに、普段と変わらない笑顔に俺は少しほっとした。
「先生……キスしませんか?」
「ん……いいよ」
目を閉じる先生。俺は先生の唇を少し噛むように歯で刺激してから、唇を重ねた。
「んんんっ……」
先生の甘い吐息に脳がくすぐられるような感覚に襲われる。それがまた心地いい。
「ふぁ……ちゅる……んんっ」
先生、やっぱキス上手いなあ。――俺は惜しみながらも唇を離した。
キスを終えると、先生が俺の目をまっすぐ見てきた。
「ん?」
「これから――」
そこで先生は一拍置いた。
「ずっと一緒にいような、桃瀬!」
極上の笑顔。
俺は照れを隠すために、先生の頬をふにふにと触った。
「やめろよー」
「ほっぺ、柔らかいっすね」
「んん……」
こうして――俺と宮本先生は付き合うようになった。色々と問題があるだろうが、二人なら何でも乗り越えてゆける気がした。
「桃瀬……明日、昼一緒に食べようぜ。私の研究室でさ」
「おう。…あ、俺が作ってきますよ」
「ほんとか!?」
「ええ。なんかリクエストあるなら作りますけど?」
「んー、何にしよっかなー、えへへ〜♪」
うん。大丈夫、こんな感じで先生とずっと一緒にいられる。そう思った。
『えろぽに 第一話 雨降って地固まる』――おわり☆