朝日が昇り、元気よく大田区の桃月町を照らす。
一軒家の二階で大きなベットのから五人の静かな寝息が聞こえる。
修を挟むように四つの綺麗な紫色のロングヘアーが二つずつ左右に位置している。
そのロングヘアーの四人は全員同じ顔で誰が誰か区別し難い。
寝ていると分かり難いが、修から見て左に位置しているちょっと垂れ目気味な女性が優奈。
その優奈の胸に顔を埋めてる女児が、修と優奈の間にできた子供で名前は優子。
そして右に位置しているちょっとツレ目気味な女性が優奈の双子の姉、優麻。
優子と同じように優麻の胸に顔を埋めてる女児が、修と優麻の間にできた子供で名前は優香。
優子と優香は一見双子に見えるが、異母姉妹であり、珍しい家族構成である。
何故こんな変わった家族が出来上がったというと、ずっと前に優麻と優奈にプロポーズされた修はどちらも選ぶことが出来ず
悶々と悩んだ。そして一つの答えが出た。
―そうだ。二人とも選べばいいじゃん。
楽観的主義でプラス思考の修らしい答えだ。
高校の頃のある放課後で二人の初めてを奪い、それがきっかけで二人を好きになってしまい、
放課後や祝日に暇さえあれば三人でデートしに行ったり、町のラブホテルで一晩中体を求め合ったり等、
あまり普通ではないお付き合いをしてきたのである。
そんな日々を過ごしてきたが、一時はその事で不安になってきたことがあった。
いつかは結婚という一大イベントがやってくるが、その時はどちらを選べばいいのか・・・。
はっきり言って一人だけ選ぶことは絶対に無理だ。
もう自分の心の中にはこの二人しかいないんだから。
自分の心には嘘はついてない。正直な気持ちで選んだ結果がこれなんだ。
周りがどう思われようが、自分は気にしない。
優麻と優奈に自分の気持ちを伝え、二人ともそのことに承諾してくれた。
両親にこの事を告げたが、案の定反対された。
しかし粘り強く説得しその努力の甲斐があって、ようやく許してくれたのである。
そして有名なチャペルで式を挙げ、多くのゲストを招いた。
招待状が送られたときは友人達はとても驚いたと聞いた。当然だ。
しかし高校の頃から何時も仲良く一緒にいた三人組なのでどんな事でもやっていけるだろう、皆そう思った。
―朝か・・・起きないと。
チッチッチッチッ、と素っ気無い機械音を発する目覚まし時計に手を伸ばし、覗き込んだ。
針は七時三十分を指していた。
今日は日曜なのでいつもとは遅い起床時間である。
修はベットから降りてカーテンを開け放つと、眩しい太陽の光が部屋の中に差し込んだ。
―さぁ、楽しい日曜の始まりだ。