昼休みの学校。
屋上から校庭を眺める生徒が一人いた。
「………」
寂しそうな目が、校庭を眺めている。
「おまえ、こんな所で何してるんだ?」
不意に声をかけられ、少し驚く。
「…何してるんだ?」
泣きそうな声で彼女は呟いた。
「…お弁当忘れたー…」
「…は?」
彼女はもう一度呟く。
「…お弁当忘れたー…」
そんな理由で、彼女は落ち込んでいた。
「おまえの兄はいつもお弁当を余分に作っているんじゃないのか?」
くるみの兄貴は趣味で料理が出来るやつだ。
「今日は面倒だからって作ってないんだって…」
(今日は作ってないのか…)
「気の毒だな…お金は?お金でご飯を買えば…」
「お金も持ってきてないんだよ…」
「自分のクラスのやつから借りればいいじゃないか」
「誰も気付いてくれないのよ…」
もはやここまで来ると哀れに思えてくる。
「ていうかなんで犬神はココに来たの?」
「昼休みはたまにココに来る。ただそれだけだ」
「ふーん…二人で屋上いると『あの時』を思い出すね…」
あの時…。あの時…?
「『あの時』って…いつだ?」
「え?忘れたの?中学校の頃のことよ」
中学校…。
その時、犬神の脳裏に『あの時』の光景がよぎる。
と同時に顔を赤らめる。
「あぁ、『あの時』か…」
「あら、顔を赤くしちゃって。そんなに恥ずかしいの?」
「当たり前だ。中学生なのにあんな事を…」
犬神のセリフを遮るようにくるみは、
「私は結構本気だったよ?」
と言った。
「え?」
その思いがけないセリフに、犬神は一瞬固まってしまう。
「犬神はどうか分からないけど、私は本気だったんだよ?」
校庭を眺めながら彼女は語る。
「私ね、あの時の事はまだはっきりと覚えてる。感覚もまだ思い出せるよ?」
まるで昨日のように語る彼女。
犬神はただ見ているしかなかった。
X年前。
「犬神…せっくす…してみない?」
学校の屋上で放ったこの一言から始まった。
「は?」
「あのね、せっくすは気持ちいいって、みんな言ってるの」
無垢な瞳で喋る彼女。
「おまえ何言ってるのか分かってるのか」
「分かってるわよ。中に出さなきゃ大丈夫だって」
「そんな問題じゃ…」
「変で無理な事分かってる。でも、私は犬神の事が…」
彼女の瞳は、本気だった。
「…分かった。後悔するなよ」
「ありがとう…」
犬神の手が、くるみの体を這うように伝う。
「あ…」
「結構…柔らかいんだな…」
「えへへ…誉められた…」
「バカ、誉めてるわけじゃない」
そして、手がスカートの中に入る。
「あん…くすぐったい」
「すぐに気持ちよくなるさ」
パンツの上から遊ぶように手を動かす。
「ぁは…なんか…変なキモチ…」
「それじゃ、指、入れるよ」
「え?」
パンツの隙間から手は忍び込み、更に割れ目に指が沈み込む。
「あ…!」
「どうだ?」
「ちょっと…痛いかな…」
「…ゆっくり動かすからな」
指は、一度入ったところから引き返す。
「あぁ…」
指が全部出るギリギリで、もう一度沈む。
「んぅ…」
そんな単純作業を繰り返すうち、くるみは出来上がっていく。
「犬神ぃ…もう我慢出来ないよ…」
「そろそろいいかな…」
そう言うと犬神はズボンを下ろし、自分のモノを出した。
「あは…カワイイ…」
「バカ…それじゃ入れるからな…」
犬神は自分のモノをくるみの花に狙いを定める。
「来て…犬神…」
犬神のモノは少しずつ侵入していく。
「ぁあぁ…!」
「痛いか?」
「大丈夫…っ!」
しかし、彼女の顔は明らかに苦しい表情だった。
それを見かねた犬神は、
「くるみ」
「え?わ!」
唇に柔らかい感触。
唇と唇が触れ合っている。
「…っぷは!…犬神…」
「少しは痛くなくなったか?」
「…うん…」
「じゃ、もう少し入れるぞ…」
犬神は更に侵入する。
その内、くるみの花からは赤い鮮血が滲み出てくる。
だが、不思議と痛くはなかった。
「全部…入ったぞ…」
「…暖かい…」
確かに今、犬神を感じている。
それだけでも幸せな気分になる。
「動くぞ…」
「…うん」
犬神はピストン運動を開始した。
くるみが痛くならないよう出来るだけゆっくりと。
しかし少しずつ早くなっていく。
「き、気持ちいいよ犬神ぃ…」
「俺もだ…くるみ…」
もうすぐ絶頂を迎える。
それが分かったのか、くるみは、
「犬神…一緒に、一緒にぃ…!」
「…くっ!」
そして二人とも果てた。
そこで、くるみはふと気付く。
「あ…犬神…中出ししてる…」
「…すまん…我慢出来なかった…」
「いいよ…今日は大丈夫だから…」
「そうか…よかった…」
そう言うと犬神は、眠りに落ちた。
「ふふ…カワイイ寝顔…」
そうして、『あの時』は終わりを告げる。
現在。
「本当、あの時は気持ちよかったよ…」
彼女はいつしか校庭ではなく、遠くを見つめていた。
「…くるみ」
「ん?」
「後悔はしてないのか?」
その問に、ゆっくりと彼女は答える。
「後悔なんてしてないよ。唯一私を見てくれる男性なんだから、後悔するなんて失礼だもん」
笑顔で答える彼女に、犬神もいつしか笑っていた。
「だから、さ。ずっと私を見ていてね?」
終