「れ〜い♪」
がばっ
「…………」
ゴッ
「あいてぇ!?…い、いきなり殴るこたないだろう!」
「新聞の作業中は話しかけるなって言っただろ」
「そりゃそうだけどさ…一応彼氏が抱きついてきたんだから
もっと別の反応してくれても…」
「ふん…調子に乗るなよ。
お前なんて、もう何人目の男か私も覚えてないんだからな」
「う…」
かりかり。かりかり。
「……………」
「……………」
「………帰るわ」
「え」
「いや、ここにいても玲の邪魔になるだけっぽいし。
その…俺がお前にとってたいしたことない男でも、やっぱり嫌われたくないしさ」
「あ、ちょっと…」
「じゃ」
がた、がたがたっ 「待てよ…っ」
ぎゅっ
「…玲?」
「……バカか、お前…。…『初めて』をあげた男が大した男じゃないわけないだろ…」
「れ、玲…」
「お前、いい性格してるよな…わかったよ、言うよ。言ってやるよ!
お前は『特別』だよ!
私が本気で好きになったのはお前だけだし、これからも………くそ、何言ってんだ、私…」
「玲…ありがと」
ぎゅっ
「…こんなこと言うの今日だけだぞ」
「わかってる。…でも嬉しいよ」
「………ふん」
「なあ、その…キス、していいか?」
「…今はダメ」
「え…」
「学校じゃそういうことしないって約束だろ?
…帰ったら、やめてくれって言うくらいしてやるからな」
ゆっくり体を離すと、玲はあのしてやったり、という笑顔を見せた。
窓から夕日が差し込んで、すごく綺麗に見えた。