『諜報部001綿貫響の憂鬱』
がっしゃーん!!
「はうぅ〜」
大きな音と共に倒れた宮田。
彼女はかなりのドジであり、何も無いところで転倒することが日常茶飯事である。
「あーっ!カメラがーっ!」
晶と一緒に転倒し、破損してしまったカメラを見て絶叫する綿貫。
彼女ら諜報部は現在撮影の最中であり、宮本研究室への突撃取材を慣行しようとしていた矢先の出来事であった。
「宮田さん!大丈夫!?」
宮田に駆け寄る来栖。
「ご、ごめんなさーい・・・ううう」
どしーん!
半泣きで立ち上がろうとする宮田だが、またコケる。
「宮田さん!あきらめちゃダメ!」
来栖が傍で励ましている。
その光景に綿貫は頭を抱えた。
「毎度毎度あんたは・・・」
「あ・・・あうぅ・・・」
「しかも今度はカメラは壊すし・・・」
しかし、今まで何度も転倒してて壊れてないほうが驚きではある。
「さすがに今度という今度は堪忍袋の緒が切れたわよ・・・」
「ご、ごめんなさいごめんなさいー!」
綿貫が凄んだ声で言うと宮田は顔を真っ青にして謝りだした。
「わ、綿貫さん!宮田さんだって一生懸命・・・」
「あなたは黙ってて003」
「ひうっ!」
綿貫の視線で来栖も黙り込んでしまった。
「お仕置きよ、002」
そう言って綿貫が取り出したのは手のひらに収まるくらいの小さい太鼓と赤い太鼓バチ2本。
「そ、それはなんですか・・・」
「これ?これはね〜うふふ・・・あははは」
「あは・・・あははは」
綿貫の笑い声に宮田も顔を引き攣らせつつ笑いを浮かべた。
「これであんたに清めの音を叩き込んでくれるわーーーーーーーっ!!」
「ひいいいいいっ!!それ、ヒビキ違いですからー!」
「やかましーわーーーーーっ!!」
太鼓セット!!
「いやーっ!・・・あ、あれ・・・?」
しかし、宮田には何も起きていない。
「え?え?何ですか〜?」
太鼓がセットされたのは・・・
「ウサギさん!?」
そう、綿貫が太鼓を宮田にセットしようとした瞬間、綿貫と宮田の間を偶然メソウサが通りかかったのだ。
「そりゃあーーーーーーっ!!」
綿貫は頭に血が上ってるのか、セットした相手に気づいていない。
「わーっ!やめてくださーい!」
メソウサは懇願するが綿貫は聞いてはいない。
ドン!ドン!ドンドンドンドンドンドン!
太鼓が打ち鳴らされた。
パーンッ!!
「きゃああああああああっ!!ウサギさんがーっ!」
砕け散ったメソウサを見て絶叫する宮田と来栖。
「あ・・・あれ・・・?間違えた・・・?」
綿貫が我に返った。
「ひ・・・ひいいいいいいいいっ!」
宮田と来栖は逃げ出した。
どてっ
しかし、例によって宮田はコケる。
「は、はううう・・・待ってー」
助けを呼ぶにも既に来栖は遠くまで逃げてしまっていた。
「あうあうあう・・・」
よろよろと立ち上がり再び走り出し、宮田も姿が見えなくなる。
「もう・・・カメラ高いのよほんとにもう・・・」
一人残された綿貫は壊れたカメラを拾い上げ、一人呟いていた。
「でも・・・最近あの子がドジ踏んでるのを見てるとなんか・・・」
ふと心にある感情が芽生える。
しかし、今の綿貫にはその感情の正体までは掴めなかった。
次の日。
「・・・はあ」
綿貫は朝からなんとなく気だるさを感じていた。
体がなんとなく重いのだ。
というか、いつもの2倍くらい重い。
「・・・一条さん、降りて」
「ばれてしまいましたね」
・・・『頭の上に一条が載っていたため、体が2倍重かった。』に訂正します。
「いつから載ってたの!?」
「校門で擬態していたら綿貫さんが通りかかったので寄生してみました」
「お前はいつかのマタンゴ星人か」
一条の回答にすかさず突っ込みを入れる玲。
「というかだ、頭に一条が載ってるのに今まで気づかなかったお前もどうかと思うぞ」
「う・・・うるさいわね・・・」
玲の更なる突込みに綿貫は顔をそらす。
「ところで、メソウサ知らないか?昨日から姿が見えないんだが」
(どきっ!)
「し、知らないわよ。ええ、もうほんとに」
まさか自分が清めてしまった事をばらすわけにも行かず、綿貫は知らん振りをした。
「そうか・・・どこに行ったんだろうな。ベッキーも心配してるんだが」
「お探しのうさぎさんはこちらですか?」
一条が抱えているのはまぎれもないメソウサであった。
「え!?」
綿貫が驚愕の表情で固まっている。
「なんだ、一条のところにいたのか」
「はい、昨日校庭を歩いていたので替え玉とすり替えました」
「・・・なんですり替える必要があるんだ」
「妹の遊び相手にと思いまして」
「ああ、なるほどな。だけどすり替えなくてもベッキーに一言断ればよかったと思うぞ」
「大丈夫ですよ。放射能漏れはありませんので」
「意味が分からん」
(つまり、昨日私が清めたのは偽者だったのね・・・ああ、よかった・・・)
綿貫がにこやかな表情に変わる。
「ん?どうした、綿貫」
「え?いやいやいやなんでもないわよちょっと考え事」
(でも、その替え玉って・・・一体何だったのかしら?)
ふと疑問が浮かび一条に質問してみることにした
「ねえ、一条さん」
「なんでしょうか」
「その替え玉って一体なんなの?」
「・・・知りたいですか?」
突然一条の周りの空間が闇一色に染まり、一条の顔が下からアップライトで照らされる。
「あ・・・いや、その・・・やっぱりいいわ」
ただならぬ気配を感じ、綿貫は質問を取り下げた。
「ま、聞かないほうが正解だろうな」
「・・・残念です」
ぴーんぽーんぱーんぽーん
「ん、授業が始まるな。それじゃ、綿貫またな」
玲が手を振る
「それじゃあね」
綿貫も手を振って答える。
「・・・あれを清めるとは中々やりますね」
すれ違いざまにそう呟いた一条に綿貫の顔が青くなる。
(一体あれは何だったのよーーー!というか見てたのーー!?)
一条に戦慄する綿貫。
「そんな綿貫さんにこれを差し上げます」
一条が綿貫に棒状の物体を差し出した。
「・・・何これ?」
「電気マッサージ器です。この先端の2つに分かれた振動部に肩を挟んで使用します」
「なんで電気マッサージ器なのよ・・・」
「このレバーを握ることでしっかりと掴むので中々離れないんですよ」
「・・・聞けよ」
「それでは、授業がありますのでこれで失礼します」
「お〜い・・・」
一条は教室へと戻っていった。
「相変わらず一条さんは謎よね・・・というかこれどうしろと」
綿貫は一人呟いていた。
そして、放課後の諜報部部室。
ういいいいいん
「はぁぁ・・・きく〜」
一条からもらった電気マッサージ器を早速使用してみた。
「これすごく気持ちいいわ〜」
最近とてもこっていた綿貫の肩にはすごく心地よい振動を与えてくれた。
「それにしても2人とも遅いわね・・・居残りか何かかしら?」
ひたすら待ちぼうけである。
「やっぱり昨日のアレが効いたかしらね・・・はあ・・・」
「お〜い、綿貫〜入るぞ〜?」
「特に002・・・晶ちゃんはすごく怖がらせちゃったしね・・・」
「お〜い」
「あ〜・・・自己嫌悪しちゃうわ・・・」
「わ・た・ぬ・き〜」
「もしかして、そのまま来なくなっちゃうなんてこと無いわよね・・・まさかね」
「ターゲット確認。目標、綿貫響。ピコ」
「はあ・・・晶ちゃん・・・」
「ロボットアーム射出!ピコ!」
どかーん
ロボ子から射出されたアームが綿貫の目の前で爆発した。
いきなりの衝撃にびっくりして立ち上がる綿貫。
「ぶあーっ!敵襲!?・・・何よ、芹沢じゃないの。いきなり現れないでよ」
「さっきから呼びかけてただろうが。なんかブツブツ言ってたけど」
怒鳴る綿貫に何食わぬ顔で返す芹沢。
「別に、ただの独り言よ。それより何か用?」
「ああ、来栖ちゃんから伝言預かってる。『今日は用事があるので諜報部はお休みします。ごめんなさい』だってさ」
「・・・やっぱり逃げたか」
綿貫はため息をついた
「お前・・・何があったんだよ」
「ん〜・・・ちょっとね」
「喧嘩でもしたのか?」
「喧嘩ってほどでもないけどね・・・でもね・・・はあ」
綿貫は上の空という感じで返事する。
「ま、いいや。伝言は確かに伝えたから。それじゃ」
がしっ
諜報部部室を去ろうとする芹沢の手がぐいっと引っ張られた。
「ま・ち・な・さ・い」
綿貫が恨めしそうな顔で芹沢の手をぐいぐい引っ張っていた。
あまりの突飛な行動に芹沢は唖然とする。
「な、何だよ?まだ何か用があるのか」
「あんたね、目の前に悩み抱えてる美少女がいるってのに何事も無いかのように立ち去るわけ?」
「何が言いたいんだよお前は」
「つまり、今からあんたを諜報部員004に任命するわ!!」
「何がどうなったらそうなるんだよ・・・大体私は演劇部だぞ?」
「大丈夫、大丈夫。晶ちゃんや来栖さんだって他の部所属なんだし」
「・・・つまり純粋な諜報部員ってお前だけなんだな」
それは言ってはいけないことだった。
「うるさーいっ!とにかく今から活動始めるから手伝いなさい!!」
「断る!!」
綿貫の言葉を拒否する芹沢。
「なんで私がそんなことしなきゃならないんだよ」
「あら、報酬なら出すわよ。ほら、これ」
と、綿貫が取り出したのは一冊のアルバム。
「なんだよそれは・・・」
「まあまあ、中身見てよ」
アルバムを開く2人。
「・・・ぶっ!お前、これはっ!」
「どう?気に入ってもらえた?」
芹沢の反応に綿貫がにやりとする。
アルバムの中身は来栖の帰宅風景から家での生活風景、更には入浴シーンにその他いろいろな写真が多数ファイルされていた。
「ま、まさか・・・来栖ちゃんがあんなことやらこんなこととか・・・うわぁ・・・」
アルバムに完全に見入っている芹沢。
「はい、ただなのはここまでね〜」
芹沢からアルバムを取り上げた。
「あっ!いいとこだったのに!」
「続きが見たいなら私に協力することね」
「う・・・」
綿貫の不敵な笑みにたじろぐ芹沢。
(来栖ちゃんの写真は欲しいけど、こいつに協力するとロクなことなさそうだし・・・大体こいつこの写真どうやって手に入れたんだ・・・?)
「なあ、お前この写真どこから・・・」
「ん〜?003をいつか映研から引き抜く為に用意してあるカードの一つ・・・かな?」
その言葉に芹沢がうなだれた。
「お前・・・諜報するものが間違ってるぞ・・・」
というかどう見てもストーカーです。本当にありがとうございました。
「こんな犯罪に加担できるかっ!ばれたらやばいだろうがっ!」
芹沢が大声で怒鳴りつけた。
「・・・残念ね。それじゃ、実力行使と行きますか」
言うや否や綿貫が芹沢に飛び掛った。
「わあああああっ!何する気だお前ーっ!」
「おとなしくしなさいっ!」
無理矢理芹沢の衣服を脱がし始める。
「離せっ!離せ変態っ!私にそのケはないっ!」
「嘘つくなあああああっ!思いっきり003の写真にハアハアしてたじゃないのっ!」
「う・・・それは・・・その」
「隙ありっ!!」
一瞬たじろいだ芹沢の衣服を完全に剥ぎ取ると、デジカメを取り出し、シャッターを連続で切った。
ぱしゃっ!ぱしゃぱしゃっ!
「や、やめろーっ!撮るなぁぁっ!!」
うずくまり、撮影から逃れようとするが既に遅い。
「ふふふふふ、この写真を現像されたくなければ、おとなしく私の言うことを聞くことね」
「くううう・・・ひきょーだぞお前」
「協力してくれるならこの写真が世に出ることもないし、このアルバムだってあんたのものなんだし、悪い話じゃないと思うんだけどなあ」
綿貫がにやにやしながら囁く。
「分かったよ。今回だけだからな」
「OK、取引成立ね。それじゃ、支度出来次第出動よ」
剥ぎ取った衣服を芹沢に返し、出動準備を開始する綿貫。
(このやろー・・・このままで済むと思うなよ・・・なんとか奴に一泡吹かせられないかな・・・ん?)
芹沢は机の上の棒状の物体に眼が行く。
(さっきあいつがこれ使ってたな・・・よーし)
綿貫は準備のため、戸棚のほうを向いている。芹沢には背中を向けた形だ。
それを見てにやりとする芹沢。そして、その机の上のマッサージ器を手に取った。
「なあ、綿貫」
「何?」
「これってマッサージ器だよな?」
「そうよ。一条さんからもらったんだけど、結構効くのよね」
芹沢の問いに綿貫は背中を向けたまま答えた。
すぐ後ろまで芹沢が近寄ってるとも気づかずに。
「じゃあさ、ここに当てたらどのくらい気持ちいいのかな?」
「・・・は?」
すぐ後ろの芹沢の声に驚き、すぐさま振り向く綿貫。
「まあ、私が試してやるよ。ふふふふ」
がしっ
先端の二又に分かれた振動部が綿貫の股間部をパンツごとしっかり捉える。
「な、何!?何をす・・・ひゃああああっ!」
ぶうううううううんっ!
スイッチが入り、振動開始。
「ひああぁぁぁっ!だっやめーっ!」
体に電気が走るような感覚に襲われ腰をくねらせ、背中は弓なりにしなる。
すぐさまマッサージ器を引き離そうとする綿貫だが、二又の振動部はがっちりと食い込んでいるため外すことができない。
「ほらほら、どうだ〜?気持ちいいか〜?」
にやにやしながら綿貫の様子を眺める芹沢。
「んふぅぅぅ・・・やめて、やめてっ!あんっ・・・あっあっあっ!」
顔を紅潮させマッサージ器のもたらす快感から逃れようと腰を動かし、振動部を引き離そうとする。
しかし、もがけばもがくほどマッサージ器は秘部に食い込み更に快感を与える。
「は、は、はぁぁぁっ!もう・・・立ってられな・・・っ!ああああああっ」
ついに快楽に耐え切れなくなり、腰を抜かし、その場にへたりこむ。
ういんういんういんっ
スイッチをつけたり切ったりして緩急つけた責めを行う。
「はぁっ!?うあああっ!!ああんっ!!!」
スイッチが入るたびに綿貫の体はしなり、腰をびくつかせて反応する。
(うわー・・・すごい効果だなこりゃ・・・だんだんノッてきたぞ)
芹沢の責めがエスカレートしてきた。
むにむにっ・・・もみもみ
「ひゃぁぁんっ!胸揉んじゃダメっ!うああぅ」
「お前、おっぱいでかいよな〜指の間からこんなに肉がはみ出るぞ」
ぎゅっぎゅぅぅ
力いっぱい胸を握る芹沢。
「いっ、痛いっ!やめっ・・・ああんっ」
痛いのと快楽で意識が混濁しはじめる。
「ひっひあっひいいっ・・・あんあっあんあんっあっあ・・・」
目がとろんとなり、マッサージ器を引き離そうと抵抗していた手がだらりと下がる。
「うあ・・・だめぇ・・・はっはっ・・・はああ・・・」
制服の上からでも乳首が立っているのがはっきりと分かる。
ぎゅっぎゅっ
芹沢が服の上から乳首を摘みあげる。
「ひゃあんっ!ひゃぅぅぅっ!だめぇっ!私それ弱いのっ!」
「ふーん。お前の弱点はここかぁ〜ほらほら、どうだ〜?」
「あうっあああっ!あっあくっぅぅ・・・うううう」
綿貫の目から涙がこぼれ、口からは涎があふれ出る。
「ここもびしょ濡れだな。そろそろイキたいか?」
綿貫の顔が真っ赤になる。
パンツには秘部から染み出した液体でできた染みがじわじわと広がっていっている。
マッサージ器の食い込んでいる場所は既に液体があふれ、振動部を濡らし光を帯びていた。
「はっはっはっはっ・・・はあんっ!あああぅぅぅぅぅっ」
喘ぎ声を混じらせながら荒い呼吸を繰り返す。
頭が快楽で埋め尽くされ、何も考えられなくなる。
「い・・・イク・・・ああんっ!もうだめ・・・うああんっ!あんっ!イクぅぅっ!」
体が小刻みに震え、反応が激しくなる。
「あああああーっ!あああああああああああっ!イっクぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
がくがくっがくっ
綿貫がぐったりと前に倒れこむ。
「気持ちよかったみたいだな」
「はあぁぁ・・・ああああ」
芹沢の問いにも反応はなく、ただ肩で息をしている綿貫。
「うひゃぁ・・・こいつすごい威力だな。これがあれば・・・」
一条のマッサージ器の絶大な効果を目の当たりにして、芹沢がにやける。
何かよからぬことを考えているようである。
「まあ、それは後にして、とりあえず意識がお花畑にいってるこいつの帰還を待つか」
―――それから少し経って
「はあ・・・芹沢ぁぁ」
綿貫の意識が現実に戻ってきた。
その目は芹沢をにらみつけている。
「お、お花畑から戻ってきたようだな」
「よ・・・よくもやってくれたわねぇぇ」
「私を脅そうとするからそういう目に会うんだよ」
「というかなんで逃げなかったのよ?これをネタにでもすればさっきの写真なんてチャラにできるじゃない」
「ああ、来栖ちゃんのアルバムは欲しいしね。それにいいもの手に入ったしなあ・・・ククク」
芹沢がマッサージ器を取り出し不気味な笑いを浮かべる。
(やばい・・・最悪のおもちゃが奴の手に渡っちゃったわ・・・)
すぐ手の届くところにおいて置いた自分がバカだったと激しく後悔する綿貫であった。
「ま、そういうわけでさっさと終わらせるぞ」
「はいはい・・・」
綿貫はなにもかもがどうでもよくなりかけていた。
「ところで、何をすればいいんだ?」
「ん〜?それはね・・・」
綿貫が今回のターゲットとなる人物を話し始めた。
「1−D宮田晶。そして、諜報部002でもある。彼女の現在の居場所を突き止めることと、動向調査よ」
「1階廊下・・・ターゲット確認できず」
「D組教室にもいないな」
二人が宮田を探し始め、かれこれ1時間経過。
いまだに発見できていない。
「んー下駄箱に靴はあったから、まだ帰ってはいないと思うけど」
「これだけ探しても見つからないってのは・・・」
二人は壁によりかかりため息をつく。
「と、なると可能性は2つ」
「晶ちゃんがこっちの動きに気づいて逃げ回ってるか」
「もしくは晶ちゃんの身に何かが起きた・・・か」
「でも、後者はともかく前者は・・・」
「ありえないよな・・・」
「そうよね。あのドジっ娘がこっちの動きを察知した上で見つからないように逃げるなんてありえないわよね」
「となると・・・」
『いやーッ!やめてください!』
『へへへ、おとなしくしな!』
『ビリビリッ!ビリリーッ!』
『やめてッ!やめてーッ!』
二人は現在の宮田の状況を想像していた。
そして、お互い向き合って
「・・・お前、何想像した?」
「・・・あんたこそどんな想像したのよ」
「べ、別にたいしたもんじゃねーよ」
「ふーん?顔が赤いけど、どーせやらしい想像でしょ?」
「お前も妙に顔が赤いけどどんな変態な妄想したんだ?ん?」
「う、うるっさいわね!さっき私を襲った変態に変態なんて言われたくないわよ!」
「お前だって私をひん剥いて写真撮ったりしてるじゃねーか!」
傍から見るととんでもない会話である。
今、誰かが通りかかればこの二人は間違いなく変態のレッテルを貼られるであろう。
「って、こんな言い争いしてる場合じゃねーなー」
「そ、そうよね・・・早く晶ちゃんを見つけないと大変なことになるわよ」
既に二人の頭の中では宮田は貞操の危機を迎えていることになっているようである。
そこに通りかかった影が一つ。
「ん?綿貫に芹沢とは珍しい取り合わせだな」
「玲・・・」
「ねえ、晶ちゃん見なかった?」
「いや、見てないが・・・何かあったのか?」
「もしかしたら、やばいことになってるかもしれないのよ」
「さっきから探してるんだけど、どこにも見当たらないんだ。学校から帰った様子もないし」
事情を聞いた玲はメガネをきゅぴーんと光らせた。
「よし、それなら宮田の居場所を聞いてみようじゃないか」
玲の言葉に二人は目を点にした。
「聞くって・・・誰に?」
「まあ、それは見てからのお楽しみだ。教室に入るぞ」
そう言うと玲はC組の教室に入っていった。
「なんなのよ、玲ったら」
「でもあの自信たっぷりの表情・・・何かいい方法があるのかもな」
綿貫と芹沢も後を追って教室に入った。
「・・・何これ?」
C組の教室は、カーテンで光を遮られ、薄暗くされていた。
机を4つくっつけて、その上にひらがなと英数字、アルファベットの羅列された紙が敷いてある。
「一条、準備はいいか?」
「ばっちりです」
机の前では一条が一人たたずんでいた。
「一条さん?」
「今回は生贄となっていただけるそうで」
「い、生贄!?」
二人が慌てふためく
「一条、今回の儀式は生贄は使わないぞ」
「・・・そうですか」
玲の言葉に一条が残念そうに呟いた。
(この二人、普段一体何をやってるのよ・・・)
綿貫があきれたような表情で玲と一条を見つめていた。
「とりあえず、座ってくれ」
玲が紙の敷かれた机に座るように指示する。
「で、一体何するんだよ」
芹沢の問いに玲は答えない。
変わりにポケットから10円玉を取り出し、紙の上に置いた。
「まさかこれって・・・」
綿貫の言葉に玲がにやりとする。
「そ、こっくりさんだよ」
「・・・」
完全に呆れた表情の綿貫と芹沢。
「大丈夫です。玲さんのこっくりさんは必ず取り憑かれますから」
「それじゃだめじゃん!」
一条の言葉にすかさず突っ込みを入れる綿貫。
「いいから、だまされたと思ってやってみろ。すぐに宮田の居場所が分かる。ちなみに取り憑かれることはないから安心しろ」
(まあ、どうせ何も起きないだろうし、適当にやってさっさと捜索再開するか)
(もう・・・早く晶ちゃん見つけないといけないってのに・・・)
それぞれの思いを胸に芹沢と綿貫は10円玉の上に指をのせた。
「じゃあ、やるぞ。『こっくりさんこっくりさん、どうぞおいでください。おいでくださいましたらはいへお進みください』」
つつつ・・・
10円玉がはいと書かれた場所へ移動する。
「お、おおお・・・」
「動いた・・・」
二人が驚愕する。
「ふふふ・・・どうだ?じゃ、質問するぞ『宮田晶の居場所を教えてください』」
再び10円玉が動き出す。
「う」
「さ」
「ぎ」
「ご」
「ん」
「桃月学園の古い伝説に存在している怪獣『ウサギゴン』ですね」
一同の頭に怪獣ウサギゴンのイメージが浮かぶ。
「わけわからんぞ、一条。というか最後お前、強引に『ん』に持っていっただろ」
「ばれてしまいましたか」
「あれだけ力入れてれば誰でもわかるっつの」
「まったく・・・」
気を取り直してもう一度
「う」
「さ」
「ぎ」
「ご」
「や」
「うさぎごや・・・か」
「本当なんでしょうね?」
綿貫が怪訝な表情で問う。
「ま、行ってみれば分かるだろ」
玲はあっけらかんとした表情でそう答えた。
「よし、早速!」
「まて、こっくりさんを戻さないと取り憑かれるぞ」
駆け出そうとする芹沢を玲が止める。
「早くしろよ・・・」
「そう慌てるなっての。『こっくりさん、こっくりさん、どうぞお戻りください』」
玲が戻るようにこっくりさんにお願いした。
10円玉が動く。
「いいえ」
「・・・も、もう一回行くぞ」
もう一度戻そうとする
「いいえ」
「戻って・・・くれないみたいですね」
「どーすんだよ・・・これ」
時間は少し戻って―――
「あうう・・・綿貫さんに合わせる顔がないです・・・」
宮田は悩んでいた。
いつもドジばかりでだいぶ迷惑を掛けているため、それが負い目になっているのだ。
「せめて・・・転ばないようにしないと」
こけっ、どさっ!
「は、はううううう・・・」
言ってる傍からこけてしまい、涙目になる宮田。
「う・・・うう・・・私やっぱり・・・」
「あなたのそのドジ、私が治してあげようか?」
背後から誰かが声を掛けた。
「・・・え?」
宮田が声の方向に振り向いた瞬間。
「むぐっ!」
宮田の口に布が押し当てられる。
何かの薬品の匂い。
そして、宮田は眠りに落ちてしまった。
「ふふ・・・この子を私の下僕2号として教育してあげる・・・」
声の主は地面に伏せた宮田を見てにやりとした。
そして、しばらくしてから
「というわけで、ウサギ小屋にたどり着いたわけだが」
「うう・・・すごく辛い道のりだったわ・・・」
ウサギ小屋の前の茂みに身を隠し、様子を伺う芹沢と綿貫。
なぜか綿貫はボロボロになっている。
「お前、よく生きてたよな・・・」
芹沢が綿貫を心配そうに見ている。
「これも諜報部の執念・・・よ」
息も絶え絶えに虚勢を張る綿貫。
ところで、綿貫に何があったかと言うと・・・
時をさかのぼり、こっくりさん送還失敗のちょっと後に戻る。
あれから、こっくりさんを追い払えたのはいいのだが、その際に間違っていくつかの呪いが掛かってしまったらしい。
「呪いと書いてまじないと読みます」
「やかましい!!」
相変わらず意味不明なことを喋る一条に綿貫は半端キレ気味。
とりあえず、宮田がいると思われるウサギ小屋へと向かった芹沢と綿貫であったが・・・
「ほんとにいるのかな・・・」
「いなかったらあいつらまとめて締め上げてやる・・・」
玲と一条相手では返り討ちに会うのがオチだとは思うが、今の綿貫はかなり頭に血が上ってる状態で冷静な判断ができていない。
「ところでさ」
「ん?何よ」
芹沢が綿貫に一つの質問を投げかけた。
「なんでお前晶ちゃんを追いかけてるんだ?」
「あー・・・あんたには話してなかったわね」
綿貫がそこで黙る。
「あ、ムリに喋らなくてもいいぞ。込み入った事情あるんだろ?」
「違う違う。どこから話そうかなって思って。まずは私と晶ちゃんの出会いから・・・」
「や、それは喋りすぎだから。余計な部分ははしょってくれ」
芹沢の言葉に綿貫が少し考える。
「つまり、晶ちゃんを見てると胸の奥から熱くてどす黒い感情があふれ出るのよ・・・これは一体何?」
「はしょりすぎな上にそんなこと聞いてるんじゃねえよ」
「あーもーだから、私は晶ちゃんがドジを踏むのを見てるとなんていうか・・・めちゃくちゃにしたくなるっていうか何かそういう衝動が」
「その感情の名は憎しみ、あるいはオディオという」
「そんな誰しもが魔王になりえる感情じゃなくてね、ほら・・・そう、萌え?萌えって奴?」
芹沢は段々綿貫を哀れみの目で見るようになっていた。
「綿貫・・・どこか頭打ったんじゃないか?病院行った方がいいぞ?」
「失礼ね!私は正常」
綿貫が芹沢に反論しようとしたその時―――
「下の人!あぶなーいっ!!」
上から叫び声が聞こえる。
「え?」
声に反応して綿貫が上を見た瞬間
かぽっ!
「わ、綿貫っ!」
「な、何々!?真っ暗で何も見えないー!」
綿貫の頭にバケツが被さったのである。
「だーっ!これ早く取ってー!」
綿貫が慌てている。
「何やってんだよ・・・お前ら」
ちょうどそこに通りかかったのは秋山乙女。
「いや、綿貫がワリオに目隠しされた」
「ワリオって誰だよ・・・というか目隠しされたら取ればいいだろ?」
芹沢の回答に乙女がじと目で言う。
悪夢はこの直後に起きた。
「あー!乙女はっけーん!」
「げっ!鈴音っ!」
鈴音が乙女の反対方向に現れた。
「探したぞーこのー!」
「わーっ!こっち来るなーっ!!」
駆け寄ってくる鈴音に乙女が思わず逃げ出す。
それを見て鈴音が全力で追跡を開始する。
鈴音の進行方向には綿貫と芹沢がいる。
ちなみに鈴音は綿貫と芹沢に気づいていない。
「え?え?ちょっと、何?何が起きてるの?」
視界を閉ざされた綿貫は事態が把握できず、オロオロしている。
「綿貫っ!避けろーっ!」
芹沢が叫ぶ。
しかし、とき既に遅し。
どっかーんっ!!
ひゅーーーーーーーーん!
「わーたーぬーきーっ!」
鈴音が綿貫と正面衝突、綿貫は遠くへ飛んでいった。
「ありゃりゃ〜飛んで行っちゃった〜」
「ありゃりゃじゃねーよ・・・」
場所は変わり、学校のプール。
「さーウナ子ちゃーん、ご飯の時間ですよー」
南条がプールにペット用のエサを撒いていた。
「お前、プールで生き物飼うなよ・・・」
傍にいた犬神がそう呟く。
「あら、この子達だって広い所で伸び伸び泳がせてあげないと可愛そうじゃないの」
「そういうこと言ってるんじゃなくてな・・・ん?」
犬神が何かに気づき空を見上げた。
「どうしましたの・・・?何あれ!?」
ひゅーーーーーーん
どっぱーん!!
突然空から何かが降ってきた。
「何だ!?」
「い、一体何事!?」
犬神と南条がプールの水面を覗く。
ざっぱーんっ!
「・・・あー死ぬかと思ったわ」
バケツを被った人間が水面から顔を出した。
「何アレ・・・宇宙人?」
「いや、どう見ても人間だろ?」
二人は怪訝な表情でその人物を見ている。
「そ、そうでしたわ!そこの人!早くプールから出なさい!!」
「え?」
バケツを被った人物が聞き返した瞬間・・・
ビリビリビリ
「ビビビビビビビビビ」
プールに電流が流れ、バケツを被った人物が感電する。
「だから言いましたのに・・・」
「電気ウナギなんかプールに放つな」
南条に冷静な突込みを入れる犬神。
「ぷかーっ・・・」
バケツを被った人物が浮いている。
ただ、力なく浮いている。
「綿貫ーっ!大丈夫かーっ!」
芹沢がプールに駆け込んできた。
どう見ても大丈夫ではありません。
「これもしかして・・・一条さんの呪い・・・?がくっ」
綿貫、ダウン。
時を戻し、ウサギ小屋の前
「本当に苦労したわ・・・」
「ほんとに大丈夫か・・・?」
「ここまで来たんだからやるしかないでしょ!」
綿貫が拳を握り熱弁する。
「まあ、とにかく中を覗いてみるな」
双眼鏡を手に取り、小屋の中を覗く。
「・・・な、何だこれ」
「ど、どうしたのよ?」
双眼鏡を覗いて驚愕の表情で芹沢が固まった。
「見てみろ」
芹沢が双眼鏡を綿貫に渡す。
「・・・なっ!!」
双眼鏡は宮田が縛られて転がされている姿を映し出した。
「何よこれ・・・一体どうなってるの?」
ウサギ小屋の影から誰かが姿を現す。
「く、くるみ!?」
「何っ!」
宮田の前に現れたのは桃瀬くるみ。
「あいつ・・・今度は晶ちゃんを狙ってるのかっ!」
芹沢が歯軋りする。
「どうしたのよ?」
以前芹沢は来栖と共にくるみに監禁され、恥辱の限りを尽くされたことがある。
その光景を思い出し、目つきが厳しくなる芹沢。
「い、いや、なんでもない。なんでもないけど・・・あいつは・・・」
「あっ!小屋に入っていったわ!」
周りを見回したくるみはウサギ小屋へと入っていった。
「んーっ!んんーっ!」
くるみを見た宮田は首を横に振って体をゆすらせた。
しかし、手足はがっちり縛られており、身動きがとれない。
「何を怯えてるの?これからあなたのドジを治してあげるのに」
くるみがにやにやしながら宮田に迫る。
「大きい胸ね。あなたがよくこけるのはきっとこの胸のせいよ・・・くすくす」
宮田に語りかけながらその豊満な胸をこねくり回す。
「んんんーっ!んぐーっ!!」
「この胸をこうやって・・・もみもみ」
夢中で胸を揉みほぐす。
「ほら、こうすれば体のバランスが取れるのよ・・・」
ぎゅっぎゅっ
びく
「んぎゅぅぅぅ」
乳首を摘まれ、思わず反応してしまう。
「ほら、我慢して。綿貫に迷惑かけたくないんでしょ?」
ぎゅむぎゅむっ!
「ふぅぅぅんっ!ふぅうっ!んんんーっ!」
目に涙があふれ、首を横にひたすら振り続ける宮田。
「まあ、あなたの次は綿貫を落としてあげるから。安心して気持ちよくなっていいんだからね」
いつの間にかくるみの指は宮田の秘所にぐりぐりと食い込ませていた。
「んぐぅぅぅぅぅっ!」
その刺激に宮田はただひたすらくぐもった声をあげるしかなかった。
「くそっ!好き勝手やりやがって・・・」
芹沢の歯軋りが更に大きくなる。
「こうしちゃいられないわね。はやく晶ちゃんを救出しないと!」
綿貫が飛び出そうとしたが芹沢に止められる。
「待て、誰かくる」
小屋の前に現れたのは姫子。
くるみに調教され、従順になってしまった下僕1号である。
「ちっ・・・見張りね」
「でも、一人だったら二人がかりでやれば・・・」
「だめよ。外の異変に気づいたくるみが何するか分からないわ」
「じゃ、どうする?」
芹沢が綿貫に問う。
「これを投げれば・・・っ!」
ぶんっ!
綿貫が姫子の前に何かを投げた。
「マホ?」
姫子がそれを拾う。
そして、中身を見た姫子は突然どこかへと走り去った。
「よーし、成功ー!」
「あれはなんなんだ?」
「姫子の大好きなベッキー写真集の隠し場所を記した地図よ」
「・・・まあ、あいつらしいといえばらしいよな」
芹沢は頭を抑えてあきれたように呟いた。
「さて、戻ってくる前に突入するわよ」
「じゃあ、私がくるみ抑えとくから綿貫は晶ちゃんを連れて逃げてくれ」
芹沢が綿貫に指示する。
「それはいいんだけどさ、あんたそのマッサージ器で何するつもりよ?しかも目がすごく輝いてるんだけど」
「ふふふ・・・ついに時は来たんだよ。くるみへ復讐する時がな!」
そう言って芹沢はいろいろな道具を取り出した。
ローション、蝋燭、目隠し、猿轡、手錠、よく分からないへんてこな置物
「これにマッサージ器を加えて復讐7つ道具が完成するんだよ」
「あんた何するつもりよ・・・というかその置物全然関連性が分からないし」
「いいんだよ、とにかく早くしないと晶ちゃんが危ないぞ」
と言いつつ芹沢がウサギ小屋の方を向いた。
「まあ、くるみはあんたに任せるけど、あんまり犯罪っぽいことしたらだめだからね」
「お前が言うなっての」
「それじゃ、ミッションスタートっ!」
二人は全力でウサギ小屋に突撃した。
バンっ!!
「な!?」
勢いよく開いた戸に驚くくるみ。
「綿貫!いまだっ!!」
芹沢がくるみに飛び掛る。
「せ、芹沢っ!?な、何するつもりよっ!」
「この前のお礼をさせてもらうぜ・・・たっぷりとな・・・くくく」
「くっ!離せっ!離せーっ!」
くるみが暴れるががっちり押さえ込まれていて身動きが取れない。
「よし、作戦通り、晶ちゃんを連れて逃げろ!」
「分かったわ!」
綿貫が晶の拘束を解くと手を引っ張って小屋から駆け出した。
「ま、待ちなさっ・・・むぐっ!」
くるみが芹沢の手錠と猿轡で次々自由を制限される。
「お前の相手は私だ。二度とこんなこと出来ないようにしてやるよ」
芹沢の手がくるみの胸と大事な部分へと伸びる。
「んんぅぅっ!!」
「私をこういう風に目覚めさせたのはお前だからな。責任はとってもらうよ」
薄ら笑いを浮かべる芹沢にくるみの表情が恐怖で染まっていく。
これから自分が何をされるのか、身をもって知ることになるだろう。
「まてーっ!逃がさないカナ〜」
姫子が綿貫と宮田を追跡していた。
あの地図が偽者と分かり戻ってくる途中で遭遇したのだ。
「はあ・・・はあ・・・」
「ま、待ってくださーい!」
綿貫が宮田を引っ張りながら走ってるため、なかなか姫子を撒けずにいたのだ。
(これじゃ全力で走れないっ!なら・・・こうするしか!)
「くっ・・・!晶ちゃん!ごめん!」
「え?え?」
ひょいっ
綿貫が一瞬立ち止まり、宮田を抱えて走り出した。
いわゆるお姫様だっこだ。
「ちょ、ちょっとこれは恥ずかしいですよぅ〜」
「恥ずかしいのは私も同じだっての!とにかく我慢して!」
(あ〜晶ちゃんてやわらか〜い・・・そうじゃなくてっ!今は姫子を撒かないとっ!)
しかし、いくら運動に自信のある綿貫といえど、人一人抱えて走るのは並大抵のことではない。
宮田がコケる可能性を考えれば仕方のない選択肢ではあるのだが。
「ま〜て〜」
「だあああっ!しつこいっ!」
体力が限界に近いのか、綿貫の呼吸がかなり荒くなっている。
さっきの災難の連続だった後遺症もだいぶ尾を引いている。
「わ、綿貫さん!私は大丈夫ですから、降ろしてください!」
「何言ってるのよ!あなたは大事な諜報部002なんだからね!同じ部員を見捨てて逃げる訳ないでしょ!」
「で、でも・・・っ!」
「それに、昨日はちょっときつく怒り過ぎたし、もしかしたら私バチが当たったのかなって・・・」
「そんなことありませんっ!私がドジだから迷惑ばかりかけて・・・今だって・・・」
宮田が泣きそうな表情になる。
「とにかくっ!話は後よっ!もし、無事だったらそしたら改めて・・・ね?」
そう言って綿貫は宮田に微笑みかけた。
「は・・・はいっ!」
宮田もそれに答える。
ざざっ!
「しまった・・・行き止まりっ!」
袋小路に迷い込んだ綿貫は焦りの表情を浮かべていた。
「追いついたよ〜綿貫さん〜」
姫子が後ろから現れる。
「くぅぅっ!」
「おとなしく晶ちゃんを返して貰おうカナ〜?そしたら綿貫さんは見逃してあげるカモ〜?
あーでもでも綿貫さんも一緒に連れてけばご褒美もらえるかも〜?」
姫子がじりじりと近寄ってくる。
綿貫もじりじりと後ずさりする。
しかし、ついに壁に突き当たり、それ以上は下がれなくなった。
「もう逃げられないよ〜マホマホ〜♪」
姫子が笑顔で近寄ってくる。
姫子を強引に突破できるだけの体力は既に残されてはいない。
(ここまで・・・か・・・ごめん、晶ちゃん)
綿貫は既に諦めの表情を浮かべていた。
「姫子さん!」
宮田が姫子の前に立ちふさがる。
「晶ちゃん、戻ってくる気になったのカナ〜?」
「私はどうなっても構わないけど、綿貫さんには手を出さないでっ!」
いつもの宮田とは違う、毅然とした表情で姫子を睨み付ける。
「な!何言ってるのよ!」
綿貫が愕然としつつ宮田を見る。
「私、このままじゃダメだって。綿貫さんに迷惑ばかりかけちゃダメだって。
私、今までドジだってことに甘えてて、周りの迷惑を全然考えてなかった・・・
だから、せめて今だけでも私が綿貫さんを守るって。そう思ったんです」
「・・・晶ちゃん」
「だから、綿貫さんは心配しなくても大丈夫です」
そう言った宮田の目には涙があふれていた。
「美しい友情って奴だよね〜芹沢さんと来栖ちゃんも同じような感じだったよね〜」
「一体あんた達は何考えてるのよ!」
綿貫が姫子に叫ぶ。
「私はくるみちゃんの言うことを聞いてるだけだよ〜そしたらいろいろ気持ちいいこととかしてくれるし〜」
「狂ってる・・・あんたおかしいよ姫子!」
「そうかもね・・・でも、くるみちゃんは友達だもん。友達だからくるみちゃんを助けてあげないといけないんだ。ごめんね」
一瞬申し訳なさげな表情になるが、すぐにいつもの笑顔に戻る姫子。
「さて、お話も終わり。一緒に来てもらうからね、晶ちゃん♪」
姫子が宮田の手を掴む。
「待ちなさいよっ!!」
綿貫がそこに割ってはいる。
「綿貫さんも一緒に来る?それならくるみちゃんも大喜びだよ〜」
「冗談じゃないわ!あんたが連れて行くのはこれよっ!!」
綿貫がポケットから取り出したのは折りたたんだ紙。
「マホっ!?」
それを姫子のポケットに無理矢理押し込んだ。
ゾゾゾゾゾ
何かどす黒いものがポケットから出てくる。
こっくりさん?が戻ってきたのだ。
「な、な、これは何カナ〜?」
姫子が戸惑っている。
そして、どす黒い何かが姫子に襲い掛かった。
「ひーーーーーっ!たぁすけてぇぇぇっ!」
その場から姫子が逃げ出した。
何か恐ろしいものを見たようである。
「はあ・・・一か八かだったけど、うまくいったみたいね・・・」
「あの〜あれってなんだったんですか?」
「あれはね、さっきC組で使ってたこっくりさんの紙よ」
どうやらさっきのこっくりさん?は追い払われたのではなく、綿貫に掛けられていた呪いによって封じられていただけだったようだ。
それが綿貫から離れ、姫子に移ったためにああやって出てきたらしい。
「・・・こっくりさんって・・・何やってたんですか」
「あんたを探すために決まってるでしょーがっ!この大ドジ娘がーっ!!」
綿貫が怒鳴りつけた。
「ご、ごめんなさい〜」
「・・・でも、ほんとによかったわ。てっきり昨日のことで私から逃げてるとばかり思っててね・・・」
「そ、そんなことないです・・・ただ、カメラ壊しちゃったし、申し訳なくてあわせる顔がなくて」
「そんなの気にしてたの?あんたのドジを考えればいつかはやると思ってたわよ。それに私ね・・・」
そう言うや否や、綿貫が宮田と唇を重ねてきた。
「むっ!むぅぅっ!」
突然のことに目を見開いて驚く宮田。
「んっ・・・ん」
ちゅっちゅちゅっちゅ
ひたすらキスを重ねてくる綿貫。
「ぷはっ」
「な、な、な、なんですかーっ!」
宮田が顔を真っ赤にさせて喚く。
「あなたのそういうところが気に入ってるんだから」
今度は胸とスカートの中に手を入れる。
「や、だ、だめっ!」
宮田が手を引き離そうとする。
「晶ちゃんは私のこと・・・どう思ってるの?」
綿貫が宮田に聞く。
「・・・そ、その・・・あの」
宮田は顔をこれでもかというくらい赤く染めている。
「じゃあ、体に直接聞いてあげよっか」
綿貫の指が宮田の敏感な部分を捉える。
びくっ!
「ひぐっ!」
さっきくるみにいじられていたせいか、敏感さが増しているようである。
「こっちは素直みたいね。ほらほら」
ぐっぐりぐりぐり
パンツの上からクリトリスを責められて、宮田の体に刺激がまわってくる。
「あうぅぅっ!やめて下さい・・・恥ずかしいです・・・」
「何言ってるの・・・?とても可愛いわよ」
懇願する宮田をにやついた顔で見る綿貫。
そして、パンツをずらし、直接クリトリスをつまみあげる。
「・・・!!きゃふぅぅぅっ!ひゃうぅぅぅんっ!!」
体をのけぞらす宮田。
「いい反応ね。これならすぐにでもいけそう」
指をスカートから出してみせる。
愛液で指がテカテカ光っている。
「あ、あの・・・私こういうの初めてで・・・その」
「大丈夫。何も怖いことなんてないから」
綿貫はそういうと、指を再び股間へと運んだ。
「もう一度聞くわね。晶ちゃんは私のこと・・・どう思ってる?もしこういうのが嫌いならすぐにやめるから」
その問いに宮田は少しの間顔を赤くして黙っていた。
「・・・やっぱり無理矢理だったもんね。ごめん」
綿貫が悲しそうな顔でそう呟く。
「あ・・・そ、そんなことないです!私綿貫さんだったら・・・その・・・あの・・・」
宮田があわてて綿貫を引き止めた。
「めちゃくちゃにされたって・・・いいです」
そう言った宮田はうつむいて黙り込んでしまった。
「晶ちゃん・・・」
ぐりっ
「ひゃぅぅぅぅっ!」
指が宮田の中に入り込んだ。
ぐっぐりっぐりっ
それほど奥までは入り込んではいないが、かなりきつく、肉壁が指にねっとりとまとわりついてくる。
じゅっじゅぶっじゅっじゅっ
「ひっ・・・ひっあぁぁっ」
「ちょっと痛いけど・・・我慢してね」
ちゅぶぶっ!!ごりっ!
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
激しい痛みに思わず叫びを上げる宮田。
「し、静かにしてよ・・・ここ外なんだから、誰かに聞かれでもしたら・・・」
「あ、あう・・・ごめんなさい」
そういって周りを確認する綿貫。
誰もいないことを確認して綿貫は行為を再開する。
「じゃ・・・ゆっくり動くからね・・・」
なるべく痛みを与えないようにゆっくりと指を動かし始める。
「んっ!い・・・ぁぁう」
顔がこわばって、体が固くなっている宮田。
「力を抜いて。受け入れるの」
綿貫がそう宮田に言う。
「そ、そんなこといわれても・・・ああうぅ」
股間からは液体があふれはじめ、指と肉壁のすべりをよくする潤滑油の働きをしている。
だんだんスムーズな出し入れができるようになる。
「あっあああっ・・・な、なんか激しくなって」
「ご、ごめんね・・・だんだん私も興奮してきちゃって・・・」
そういいながら宮田の手を掴み、自分の秘部にあてがう綿貫。
つぷっずぶずぶちゅぶ
「晶ちゃんも・・・私をいじめてよ・・・」
潤んだ瞳でそう宮田に言う綿貫。
宮田の指が綿貫の秘部に差し入れられ、出し入れされ始めた。
「あんっ!あああぅぅ」
その刺激に思わず嬌声をあげてしまう。
「綿貫さんの中・・・あったかい・・・」
「晶ちゃんだって・・・あうぅ」
お互い感じ始める。
「はんっ!あうっあうぅぐっ!」
「ふあぁぁ・・・私だんだんきもちよく・・・」
痛みが和らぎ、快楽に置き換わってくる。
「きゃうんっ!きゃふっ!くふぅぅぅ」
体をびくびくさせ、宮田の指の動きにあわせて腰を動かす綿貫。
「ひっひいいっはううっふぁぁ」
ただ、快感に耐え、綿貫の指の動きに身を任せている宮田。
「あっあっあっ・・・綿貫さぁん・・・これすごいです・・・」
「はあはあ・・・私も・・・気持ちいい」
二人はぐっと抱き合う。
限界が近いのか。
「ひぐっ!ひはぁぁっイク・・・っ!」
「ああああ・・・もうだめです・・・あああ」
お互いがぶるぶる振るえ、絶頂に達しようとしている。
「あぐっ!うあああぁぁぁぁぁ」
「ひゃぅひゃぁぁぁぁぁぁ」
びくびくっびくんっ!びくびくびくっ!!
二人は同時に絶頂に達した。
「ふあ・・・あああ」
「あうん・・・」
余韻が残る体を抱き合わせ、再び二人はキスをする。
「ん・・・」
今度はさっきとは違い軽めのキス。
「これからも・・・よろしくね、002・・・いや、晶・・・」
「はい・・・一緒です・・・響さん」
二人はしばらくみつめあっていた。
次の日―――
がやがやがや
なにやら掲示板が騒がしい。
「一体なんの騒ぎかしら?」
綿貫が人ごみを掻き分けて、掲示板を覗いてみた。
そこに張ってある新聞の見出しには
『空飛ぶ人間現る!?』
と、書いてあった。
「何これ・・・げっ!」
綿貫が新聞に載ってる写真を見て固まってしまった。
それはなんと、昨日鈴音に吹っ飛ばされ、空を飛んでしまっていた自分の写真だったからだ。
「い、一体だれがこんなものを・・・」
「あ、綿貫さん!」
来栖が綿貫の所へと来た。
「これ、すごいでしょう」
「来栖さん一体、これって何?」
綿貫が来栖に問う。
「昨日映研の撮影でカメラ回してたら偶然こんなのが映ってて面白そうだったから、新聞部に提出したんですよ」
その言葉に綿貫は愕然とした。
「あんたね!諜報部でしょーがっ!なんでそういうことを報告しないのよっ!!」
「え?・・・あっ!!」
綿貫に言われて来栖がしまったという顔になる。
「お、なんだなんだ?」
「あ、芹沢さん」
さらに芹沢が現れる。
「見てくださいこれ、空飛ぶ人間ですよ〜」
「ほほー・・・・・・ほー・・・」
写真を見た芹沢は一瞬驚いたが、すぐに哀れみの目で綿貫を見ていた。
「お前・・・いくらスクープがないからって自分がスクープになってどうするんだよ」
「好きでなったんじゃないっ!!」
「まあ、私としちゃ面白いからOkなんだけどね〜」
芹沢がにやにやとしながら言う。
「あんたね〜・・・」
綿貫が芹沢をにらむ。
「あ、綿貫さ〜ん(どてっ!)あうう〜痛い〜」
宮田が駆け寄ってきたがいつもどおりこけてしまう。
「ああ・・・もう・・・どいつもこいつも・・・」
綿貫が頭を抱え、そして・・・
「もうこんな奴らいやーーーーーっ!!」
綿貫、ついに発狂。